MARIO IS MISSING!は、1990年代にPC、SNES、NES向けに発売された教育ゲーム。
概要[]
1990年代に海外で発売された地理学習用ゲーム。1992年にMS-DOS版、1993年にSNES版とNES版、1994年にMAC版が発売された。PC、SNES、NESのそれぞれのバージョンは移植の関係にはなく、全く別物のソフトである。開発はPC版、SNES版がThe Software Toolworks、NES版がRadical Entertainment。発売は北米がThe Software Toolworks、欧州がMindscape(PC版未発売)。
海外限定である上ライセンス以外では任天堂は全く関わっていないものの、公式に発売されたものの中ではルイージが初めて主役を務めたゲーム。任天堂発売のルイージが主役のゲームは、2001年にニンテンドーゲームキューブで発売された『ルイージマンション』まで待つことになる。
内容は、世界中の街を回りながら地理に関するクイズを解き、アイテムを元の場所へ返還していくというものになっている。子供が地理を学ぶための教材としては、そもそも知識に数え切れないほどの間違いがある、クイズの出題範囲が偏っている、ゲーム性を保つために課されたシステム上の制限で快適な学習ができないといったように褒められた出来ではない。一方アクションゲームとしても学習要素とのバランスを取ろうとした故か、非常に低難易度になっている。
ストーリー[]
今回の舞台はマリオワールドではなく我らが現実の世界。クッパ軍団は南極に建てられた城から、遠隔輸送・窃盗システムを用いて世界中へ侵略し、観光地の破壊や古の芸術品の略奪など各地で悪事を働いた。クッパの作戦は、奪い取った名物から得た資金で通販のヘアドライヤーを買い占めし、南極の氷を溶かして、地球を海に沈めてしまおうというものだったのである。
これに対して黙っていなかったのがおなじみマリオ。ルイージとヨッシーを連れクッパ城に向かうが、罠にかかって囚われの身となってしまった。残されたルイージはヨッシーと協力し、奪われた名物を各地に返還しクッパの野望を止めるため、そしてマリオを助けるため世界中を旅することになる。
システム[]
クッパ城には各部屋ごとに複数の扉があり、それぞれ異なる都市へ行くことができる。ただし、そのステージがどこの国のどの都市なのかは表示されないので、プレイしながら情報を集めることになる。
それぞれの都市からは、ノコノコ達によって3~5個(SNES版、NES版では全て3個)の名物が盗まれている。街を歩いてノコノコを見つけたら、PC版ではクリックして、SNES版、NES版ではジャンプで踏んで名物を取り返せる。次はそれをもとの場所へ返還しないといけない。街には名物と同じ数だけ観光センターがあり、そこに対応した名物を返していくことになる。
アイテムを返還する前には、その名所に関するクイズに答えないといけない。クイズに間違えるといたずらの問い合わせとして扱われ、追い払われてしまう。PC版では、閉鎖された観光センターには電話番号と名所の情報が書かれたパンフレットがある。その番号から観光センターに電話をかければ返還することができる。パンフレットに書かれていた内容をちゃんと覚えて正解できれば返還が完了し、その観光センターで名所の写真を撮れるようになる。SNES版、NES版では電話をかけず直接受け付けで応答をする形となる。NES版では、あろうことかパンフレットが存在しないので事前知識無しでクイズに挑戦しないといけない。
プレイヤーが使える機能に「グローバレーター」というものがある。これはいわば世界地図で、指定した場所にヨッシーを呼び出すことができる。自分のいる都市を把握していれば、ルイージがヨッシーと合流できるという仕組みになっている。SNES版、NES版では、ヨッシーに乗らないと観光センターのスタッフには話しかけられない。また、ヨッシーに乗っていると移動速度が上昇する。
クッパ城に戻れる土管はサンボによって塞がれており、利用することができない。ヨッシーに乗っていればサンボをどけることができ、全ての名物の返還が完了していればこれでステージクリアとなる。
街には住人の姿も見られ、「ここがどの都市か」「ノコノコはどこにいるか」のヒントが聞ける。PC版では通信機とタクシーがあちこちに落ちている。通信機は拾う度マップに住人やノコノコ、サンボの位置が表示されていく。タクシーはマップの好きな場所へワープできる消費アイテム。
PC版・SNES版では一部屋分、NES版では全てのステージをクリアすると、コクッパとの対決が始まる。しかし攻撃を食らうという概念がないため、勝負はあっさりつく。NES版、NES版ではひたすら追いかけて踏むだけであり、PC版に至ってはファイアフラワーを取得すると一方的に消し炭にして終わってしまう。
グラフィックはPC版では本作オリジナルのものが使用されているが、クオリティは高くない。SNES版、NES版では多くが『スーパーマリオワールド』の移植になっている。
ステージ[]
PC版[]
- 1階
- 2階
- 3階
- ベルリン
- ブエノスアイレス
- ダブリン
- カトマンズ
- シドニー
- 4階
- 5階
SNES版[]
- 1階
- 2階
- 3階
NES版[]
- 1階
- 2階
- シドニー
- サンフランシスコ
- 3階
- 4階
- 5階
- ロンドン
- ブエノスアイレス
- 6階
- メキシコシティ
- カイロ
- 7階
誤植[]
本作は教育ゲームであるのにも関わらず誤植が非常に多い。詳しくはMARIO IS MISSING!/誤植一覧を参照。
余談[]
- 『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』のルイージのスマちしき「初めての主役」には「大々的に主役として活躍したのは、2001年発売の『ルイージマンション』。」と書かれており、本作の存在を念頭に置いたかのような記述がされている。
- 本作のPC版におけるルイージは、その奇妙な顔と動きから海外では「Weegee[1]」と呼ばれ、一種のミームとして親しまれている。Scribblenautsシリーズでは「ハイカンコウ」(Plumber)として緑の帽子とオーバーオールを身に着けた人物を呼び出すことができるが、なぜか「Weegee」という単語でも反応し呼び出せる。
脚注[]
- ↑ 『Hotel Mario』での空耳が由来。