ノコノコのこうら、コウラ(Shell)とは、マリオシリーズに登場するキャラクター、ノコノコが身に付けているこうら。場合により、ノコノコ以外のカメ族が身に付けるコウラについても説明する。
概要[]
甲羅とは、爬虫網カメ目に属する生物が背中に背負っている固い器官のこと。脊椎や肋骨と一体化した「骨甲板」と、その表面を覆うウロコで形成された「角質甲板」の2つの甲板で構成されている。マリオシリーズにおいては、クッパ一族をはじめとする「カメ族」の多くが現実世界のカメと同じくこうらを持っているが、現実世界のカメと最も大きく異なる点は、衣類のごとく着脱可能であることである。上記の通り現実世界のカメの甲羅は骨格と一体となっているため取り外すことはできないが、マリオシリーズにおいてはノコノコの登場以前にアーケード版『マリオブラザーズ』で登場したカメ、シェルクリーパーがすでにこうらを体から取り外す行為を行っている。発案者の横井軍平は『マリオブラザーズ』について「マンガ映画(アニメ)で、カメがひっくり返って甲羅をポイッと脱ぐシーンが面白くて、これをゲームにしよう」と著しており[1]、マリオシリーズのカメ族は、はじめからこうらを取り外せる生物として誕生した。
こうらを道具として初めて扱った作品はファミコン版『スーパーマリオブラザーズ』で、踏みつけてこうらにこもったノコノコを横から蹴りとばして他の敵キャラクターにぶつけて倒すことができた。『スーパーマリオワールド』で初めてノコノコもシェルクリーパー同様に完全にこうらから分離されるシーンが登場、以降こうら単品でアイテムとして使用するケースが増大した。
2023年発売の『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』では、カタツムリの敵やアルマジロの敵などカメ族以外のこうら(殻)を持つ敵が多く登場した。
使用用途[]
- 蹴り飛ばす
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- 初登場:『スーパーマリオブラザーズ』
- 上記の通り。蹴り飛ばされたこうらは等速直線運動でどこまででも滑っていくが、壁や土管などの障害物に当たると同じ速度でこちらに跳ね返ってくる。それにあたると蹴り飛ばした側もダメージを受けてしまうためジャンプで避ける必要がある。
- 『スーパーマリオワールド』に登場した青いはだかノコノコは、再びこうらに接触するとこうらに入らず、こうらを蹴り飛ばす攻撃を行う。
- 『スーパーマリオRPG』をはじめとするRPG作品では武器やブラザーアタックとして登場、蹴ってぶつけての攻撃を行う。
- 踏む
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- 初登場:『スーパーマリオブラザーズ』
- ノコノコを踏むとこうらにこもらせることができ、再度踏むと蹴り飛ばした時同様に滑り出す。滑っているこうらを踏むことで静止させることができる。
- 階段ブロックにいるノコノコをうまい位置で踏みつけることで上記の効果を連続で行わせ、れんぞく1UPをすることができる。
- 持って移動する
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- 初登場:『Super Mario Bros. 2』
- 『スーパーマリオUSA』においては、原作『夢工場ドキドキパニック』のアイテム「ビッグフェイス」の代替として登場。地面から引っこ抜け、投げると壁にぶつかるまで滑って移動し敵をなぎ倒していく。
- シリーズ本編では『スーパーマリオブラザーズ3』で初めて持って移動することが可能になった。ダッシュボタン(Bボタン)を押し続けている間持つことが可能で、ボタンを放すことで蹴る/投げることができる。これにより、任意の破壊したいブロックや倒したい敵キャラクターに向かってぶつけるといった行為が可能になり、攻撃の幅が広がった。水場のエリアでは、こうらを持ったまま水に浸かることでビート版の役割を果たし、浮かびながら素早い泳ぎを実現させた。
- 下を入力しながらボタンを放すと蹴り飛ばさず地面に置くことができるほか、『スーパーマリオワールド』では上を入力しながらボタンを放すことで上方向に蹴り飛ばすこともできた。
- ノコノコが「こうらにこもっている」作品では、持っている間でも時間経過で復活するため見計らって手を放さなければならない。
- 投げる
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- 初登場:『Super Mario Bros. 2』
- 『スーパーマリオUSA』に際しては上記の通り。『New スーパーマリオブラザーズ』以降の作品ではこうらを持った状態でボタンを放すと蹴りではなく投げるアニメーションをとる。
- 『スーパーマリオカート』をはじめとするマリオカートシリーズでは相手レーサーの邪魔をするアイテムとしてミドリこうらやアカこうらが登場。投げて相手にぶつけてスピンさせることができるが、壁に当たって跳ね返ってきたものは当然こちらにもダメージを及ぼすため位置やタイミングは見計らなければならない。
- 身に付ける
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- 初登場:『スーパーマリオブラザーズ3』
- ハンマーブロスを模したハンマースーツにこうらが付属しており、しゃがむことでこうらで身を守り防御を高めることができる。
- 『New スーパーマリオブラザーズ』ではアイテムとして青いこうらが登場し、コウラマリオに変身することができる。ダッシュすることでこうらによるスピン攻撃を行い、蹴り飛ばされたこうら同様に敵やブロックを破壊しながら移動できる。本編ではキノピオの家、赤いパタブロックやルーレットブロック、ハンマーブロスを倒すといったように特別な手段でしか入手できないが、「マリオVSルイージ」モードでは踏むとパワーアップ用のこうらになる青いノコノコが登場。
- 『スーパーマリオメーカー』シリーズでは、メットこうらとトゲゾーこうらを頭にかぶり防御を高めることが可能。
- 『スーパーマリオ 3Dワールド』ではパワーアップアイテムとしての登場こそないものの、こうらを持ったまましゃがむとそれに入ってスピン攻撃ができる。ずっとこうらに入っていると目を回してしまう。
- 食べる、吐く
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- 初登場:『スーパーマリオワールド』
- ヨッシーのアクション。舌を伸ばしてノコノコを食べるとそのまますぐに消化はせず、こうらのみを口に残したままにする。もう一度ボタンを押すことでこうらを吐くことができ、マリオの持って歩くアクションと似た行為ができる。放置すると消化しきる。
- 『スーパーマリオワールド』においてはこうらの色が重要な役割を果たす。赤いこうらを口に含むと吐くときに3WAYの火炎放射攻撃に変化し、青いこうらは口に含んでいる間羽を生やし、黄色いこうらを口に含んでいる間は着地時に衝撃波攻撃を行うことができる。無敵こうらを口に含んだ場合そのすべてが行える。
- 乗る
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- 初登場:『スーパーマリオ64』
- 敵キャラクターとして登場するノコノコを踏みつけたり、黄色のブロックを叩いたりすることで出現するこうらに触れると、マリオがこうらの上に乗って無敵状態になる。接触した敵を倒すことができるほか、溶岩の上も難なく移動することができる。壁などに衝突すると効果が切れる。
- 『スーパーマリオメーカー 2』では、カロンこうらに乗って溶岩の上を移動することができる。
- リフティングする
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- 初登場:『スーパーマリオ 3Dランド』
- ノコノコのコウラをタヌキマリオのしっぽ攻撃やファイアマリオのファイアボールで、地面に落とさないように持ち上げ続けること。攻撃でコウラを持ち上げること自体は『SMB3』でしっぽマリオを使うなどで過去作品でもできたが、この作品ではリフティングを5回成功させるとコウラから1UPキノコが出現する。『スーパーマリオ 3Dワールド』にもこのアクションは続投され、ネコマリオでもリフティングが可能になった。
こうらになるキャラクター[]
- ノコノコ
- 上記の通り。
- メット
- ノコノコと同じく踏んでこうらにすることができるほか、天井を歩いている逆さメットはマリオが近づくとこうらにこもって転がってくる。ノコノコとの大きな違いはファイアボールが効かないこと。『スーパーマリオメーカー』シリーズではメットこうらとしてこうら単体で配置することも可能。
- トゲゾー
- トゲがあり踏めないうえ、しっぽマリオやマントマリオで攻撃すると撃破できてしまうため正規の方法でこうらにすることは不可能だが、転がってくる逆さトゲゾーを踏むことでこうら単品を扱うことが可能。マリオカートシリーズやスーパーマリオメーカーシリーズでは、トゲゾーこうらとして単体のアイテムが登場。
- ブンブン、クッパ7人衆、クッパJr.、プンプン
- 戦闘時、一度ダメージを与えるとこうらに籠って無敵状態になる行動をとる。前者3体はこうらにトゲがあり甲羅の状態で踏むことはできず、『スーパーマリオ 3Dランド』以降のブンブンとプンプンは踏んでもはじかれる。
- クッパ
- 『Mario is Missing!』や大乱闘スマッシュブラザーズシリーズなどでこうらの状態で攻撃する姿が見られ、以降シリーズ本編でもこうらでの攻撃をするようになる。マリオカートシリーズにはクッパこうらという巨大なトゲつきこうらを投げるアイテムが登場。
- マイマイ、マジロー
- ともに『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』で初登場したザコ敵。カメ族ではないが踏むと殻にこもり、その殻はノコノコのこうらと同じ性質を取る。
登場作品[]
注釈[]
- ↑ ちくま文庫『横井軍平ゲーム館』より。