“ | 期待のシリーズ最新作は 手描きタッチの世界で展開する ふたつのヒーロー誕生物語! |
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—パッケージより |
『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』(Super Mario World 2: Yoshi's Island)は、1995年8月5日に任天堂が発売したスーパーファミコン用アクションゲーム。略称は「ヨッシーアイランド」「ヨシアイ」など。
概要[]
『スーパーマリオワールド』で初登場したヨッシーが主役の、初の横スクロールアクションゲーム。本作発売以前にもタイトルにヨッシーの名を冠するゲームはいくつか発売されているが、明確にマリオではなくヨッシーが主役となる作品は初となる。
スピンオフという位置づけではあるもののサブタイトルに「スーパーマリオ」とついているほか、海外版タイトルには「Super Mario World 2」とあり、事実上スーパーマリオシリーズの5作目にあたるともいえる。
従来の敵を捕食するアクションから発展した、捕食した敵をタマゴにして投げる「タマゴなげ」が大きな特徴。他にもふんばりジャンプなどの新アクションや、ステージの採点評価などの独自のシステムといった個性的な要素の数々は、後のヨッシーシリーズの礎となった。中でも『ヨッシーアイランドDS』、『ヨッシー New アイランド』は本作のゲーム構造を特に強く受け継いでいる。
ストーリーの時間軸はマリオシリーズと同一直線上、かつそれよりも過去のものとして設定されており、温かみのある手描き風のグラフィックも相まって、独特の雰囲気を形成している。既存のマリオキャラやその派生種・子供時代の姿も登場し、そのためか逆に後年の作品で本作初登場のキャラがマリオシリーズに登場する例も今日まで数多く見られる。
描画性能の補強のためにスーパーFXチップがROMカセットに採用されているゲームソフトの一つ。そのためか丸ごとそのままの移植には長らく恵まれてこなかったが、近年になり『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』や『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』などに収録され、手軽に遊べるようになった。また、ゲームボーイアドバンスでも追加要素や変更点を含む移植作『スーパーマリオアドバンス3』が発売されている。
開発の経緯[]
1990年代当時の任天堂にはデザイナーは数年でディレクターやプランナーになるという暗黙の認識があり、当時『スーパーマリオワールド』でのデザイナーの仕事を終えた日野重文も宮本茂に「いつまで絵を描いてるんかな?」と言われ、様々な企画を考えていた。当時ゼルダの伝説シリーズの開発に携わっていた手塚卓志とも相談をした結果、前作でジャンプアクションゲームをやりきった上で、ヨッシーなら初めて遊ぶ人も楽しめる、新しい遊びができそうだという考えに行き着いた。最初はヨッシーが何かを運んでゴールするというアイデアから始まったという。ふんばりジャンプやダメージを受けてからミスまでの猶予時間など、初心者に優しいシステムも織り込まれていった。
開発中3DCGの豪華な『スーパードンキーコング』が発売されたが、その頃にはそのグラフィックを真似することが不可能なほど開発が進んでいた。そこでそれとは真逆の徹底した手書き風のグラフィックで対抗することになったが、1995年になると発売間近の『スーパーマリオ64』などの開発グループにディレクターの手塚や紺野秀樹が移ることとなる。これにより、プログラム担当の株式会社SRDのスタッフを除いて本作の開発グループには三人のデザイナーしか残らなくなってしまった。その三人のうちの一人が当時入社したての野上恒で、手書き風グラフィックの表現方法を考える所から仕事が始まったという。野上がマーカータッチで背景イラストを描き2週間ほど試行錯誤してゲームに取り入れ、そこが絵作りの方向性を決めるターニングポイントとなった。野上は背景をメインに、あほーどりなどの「アホ系」やボスなどのデザインも行った。
幸いスタッフが三人になった頃には既にゲームの骨組みは決まっており、あとは部品を量産すれば良い状態だった。そのため朝にキャラを描き、昼にプログラマーに発注し、夜に確認しOKを出し、ネタも出すということを毎日繰り返していたという。すると開発途中のものが流通関係者に流れて高く評価され、それをきっかけにスタッフが戻ってくるようになった。手塚や紺野、宮本たちの助けが加わり、部品が揃ったもののゲームバランスが取れていない状態から商品として仕上がった。[1]
ものがたり[]
むかしむかしのお話しです…。
赤ちゃんとヨッシーのお話です…。
夜明け前の暗い空を、一羽のコウノトリが大あわてですっ飛んで行きます。
そのくちばしに、今日生まれる双子の赤ちゃんをしっかりとくわえて、パパとママのところへ急ぐ急ぐ!
と、そのとき雲の合間から猛スピードで突っ込んでくるひとつの影が!!
「キィー!ウキィー!その赤ちゃんいただくぜ〜!」
そいつはそう叫ぶと、すれちがいざまに赤ちゃんをひったくっていきました。
ところが何ということでしょう。ひったくったのはひとりだけ。
もう一方の赤ちゃんは海に向かってまっ逆さま…。
あっ‥。
そいつの名はクッパ王国の魔法使いカメック。クッパ一族に災いをもたらす双子が生まれるという夕べの占いにしたがって、コウノトリを待ちぶせしていたようです。
城にもどったものの、赤ちゃんをひとり捕え損ねたことに気づいたカメックは、手下を集めて命令しました。
もうひとりの赤ちゃんを探してくるので〜す!!
ふたりのパパとママには絶対渡しちゃいけませ〜ん!!
一方、落ちていった赤ちゃんは、ラッキーなことに海ではなくて、とある島をお散歩中のヨッシーの背中に無事着陸したのでした。
しかも何かが描かれた地図といっしょに…。
ここはヨッシーアイランド。ヨッシーたちのすみかです。のん気で楽しいヨッシーたちも、こいつはたいへん一大事!
みんなで相談していると、赤ちゃんがアッチアッチと指さします。
そう、さらわれた赤ちゃんの居場所がこの子には感じられるのです。
それならということで、ヨッシーたちはみんなで赤ちゃんをリレーして運ぶことにしました。
まずはみどりのヨッシー。背中に赤ちゃんを乗っけて、赤ちゃんの指さす方向へと出発です。
(取扱説明書より)
システム[]
ヨッシーは普段赤ちゃんを背負っている。ダメージを食らうと赤ちゃんを落としてしまい、赤ちゃんは泡に包まれ空中を漂う。この状態の赤ちゃんはスターのおまもりによって守られているが、スターの数は1秒に1つずつ減っていく。0になるとコカメックに赤ちゃんが攫われミスとなってしまうので、それまでに泡に触れ赤ちゃんを救出する必要がある。スターは10個の状態からスタートし、道中に落ちているものを拾うなどすることで最大30個まで増やせる。10個を切ると、赤ちゃんを背負っている間に10個まで自動回復する。ヨッシー自身に体力は設定されていないが、一部の敵やギミックは触れると即死になっている。
各ステージにはスペシャルフラワーが5個隠されていて、集めるたびにゴールルーレットの10個あるマス目が1個ずつ埋まっていく。すべて集めると1UPがもらえ、ゴールルーレットは当たりとはずれが交互に並んだ状態となる。ルーレットをくぐればヨッシーが次のヨッシーに赤ちゃんをバトンパスしてゴールとなり、ルーレットが止まり出す。当たりが出ればスペシャルアイテムの入手やボーナスチャレンジへの挑戦ができる。
スペシャルフラワーと20枚隠された赤コインの収集率、スターのおまもりの所持数によってステージクリア後に採点がされる。1つにつき10点のスペシャルフラワー、1点の赤コインとスターのおまもりをそれぞれ最大まで集めることで100点満点となる。1ワールドにつき8つあるステージを全て満点でクリアすると、高難易度のスペシャルコースが解放される。スペシャルコースを満点でクリアすると、タイトル画面のロゴの上にクリアの証の星が1個ずつ、全部で6個まで増えていく。
アクション[]
基本アクション[]
左右キーで移動、Bボタンでジャンプ、下キーでしゃがみ、上キーで扉移動の横スクロールアクションだが、従来のマリオとは異なる様々なアクションが使える。
- 敵を食べる
- Yボタンで舌を伸ばし、敵を捕食できる。上キーを同時に押すと上にも舌を伸ばせる。口に入れた敵は、Yボタンでそのまま吐き出すことができる他、下キーで飲み込むことでタマゴにすることができる。タマゴは最大6つまでヨッシーの後ろについてくる形で所持できる。口に敵を入れたままでいると、やがて勝手に飲み込む。
- タマゴを投げる
- Aボタンを押すとカーソルが出現し、前方斜め下〜真上120°に弧を描くように自動で往復する。このカーソルに向かってヨッシーは一直線にタマゴを投げ、攻撃やハテナ雲の起動などができる。ボタンを一度押すとカーソルが出現し、再度押すと投げる「じっくりタイプ」、ボタンを押している間カーソルが出現し、離すと投げる「いけいけタイプ」のどちらかをコントローラ設定で選択できる。カーソルはL/Rボタンでその場に、上キーでヨッシーの真上にロックされる。カーソルが出ている間も移動やジャンプは可能。
- タマゴは地形に当たると反射して飛び続ける。2回反射する緑、1回反射する黄、反射しない赤のタマゴが存在し、敵を食べたりタマゴブロックやタマゴフラワーを利用したりして手に入るのは基本緑のタマゴである。黄、赤のタマゴはブロックやフラワーから稀に出てくる他、反射して色が変わった緑のタマゴを舌でうまくキャッチし産み直すことでも手に入る。黄のタマゴは割ると2コインが、赤のタマゴは割るとスターのおまもり2個が出てくる。光るタマゴが道中に落ちていることもあり、割ると赤コインが出てくる。
- ジャンプ
- ジャンプ中に再度Bボタンを押し続けると、足をバタつかせ滞空するふんばりジャンプが地に足を着けるまで何度でも使える。敵を踏んでから行うとより高く跳べる。ジャンプ中に下キーを押すと、真下に急降下して攻撃するヒップドロップができる。
特殊アクション[]
- スイカ
- スイカを口に入れているとYボタンでスペシャル攻撃を使うことができる。緑のスイカはタネ、赤のスイカはファイア、青のスイカはアイスを吐くことができる。残弾は最大で30個。タマゴにすることはできない。
- スーパースター
- スーパースターを取得すると一定時間無敵のパワフル赤ちゃんを操作できる。Yボタンでダッシュして加速し、壁も左右キーを押し続ければ走って登れる。ジャンプ中に再度Bボタンを押し続けると、マントをパラシュート代わりにふわふわ滑空できる。
- モーフィング
- へんしんアイテムを取得するとモーフィングが発動し、一定時間ヨッシーの姿とアクションが変化する。空を自由に飛べるヘリコプター、土を掘り壁や天井を登れるモグラタンク、水中を自由に泳ぎ魚雷を発射できるせんすいかん、壁に描かれた線路を走れるきかんしゃ、地面を速く走り車高を上げ下げできるくるまが存在する。ヨッシーブロックに触れるとその時点でモーフィングが解除され、再びワープしてきた赤ちゃんを背負う。
- スキー
- 特殊な小屋に入るとヨッシーがスキー板を装備し、道を滑り出す。Bボタンでジャンプができ、着地に失敗すると少しの間操作できない雪玉になってしまう。
キャラクター[]
プレイヤー[]
- ヨッシーアイランドに住むドラゴンのような生き物。今作の主役。様々な色の個体が存在し、手分けして赤ちゃんを背中に乗せ運んでいく。
サブキャラクター[]
- 赤ちゃんをもたらす鳥。運んでいた双子の赤ちゃんを取り落とし、自身もクッパ城にさらわれる。
- 赤ちゃんの頃のルイージその人。今日呼ばれるところの「ベビィルイージ」。カメックに狙われてさらわれ、マリオと離れ離れになる。
- 一部ステージに登場する犬のような生き物。トゲや溶岩を歩いても平気で、乗るとヨッシーが向いている方向にダッシュしていく。
- かるがーも
- カルガモのような丸い体型の鳥の親子。子供をタマゴ代わりに投げることができる。
- クッパに仕えるカメ族の魔法使い。将来一族を脅かすと占われた双子を排除すべく奮起する。各地でザコ敵に魔法をかけ、ボス敵に変えてけしかけてくる他、一部のステージでは直接襲いかかってくる。
- 本作を機に、ヨッシーシリーズのみならずマリオシリーズでもクッパの側近の一個人として扱われる作品がたびたび登場するようになる。
- 赤ちゃんの頃のクッパその人。今日呼ばれるところの「ベビィクッパ」。クッパ城に住むわがまま坊っちゃまで、最終ボスとして立ちはだかる。
ボス[]
各ワールドのステージ4とステージ8の最後に待ち受ける。
- ワールド1…ビッグドンブリ / ビッグスライム
- ワールド2…びっくりテレサ / つぼおばけ
- ワールド3…ゲロゲーロ / ビッグパックン
- ワールド4…ビッグプチプチ / ビッグノコノコ
- ワールド5…ビッグけめくじ / ビッグキューちゃん
- ワールド6…ビッグカチカチ / クッパ、ビッグクッパ
ザコ敵[]
ステージ[]
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スペシャルアイテム[]
ボーナスチャレンジなどで手に入るお助けアイテム。ボス戦以外でポーズ画面から使用できる。22個までストック可能。
- 10ポイントスター / 20ポイントスター
- スターのおまもりの所持数を10個/20個増やせる。
- いつでもタマゴ
- タマゴの所持数を最大の6個まで増やせる。
- どこでもPOW / たっぷりハテナ雲
- 画面内全ての敵がコイン/ハテナ雲に変わる。
- 見やぶり虫メガネ
- 隠れた赤コインの場所が分かるようになる。
- スペシャルスイカ(緑/赤/青)
- スイカを口に含んだ状態になる。
ボーナスチャレンジ[]
ゴールルーレットで当たりを引くと始まるミニゲーム。成績に応じて残機やスペシャルアイテムが手に入る。ボーナスチャレンジ (ヨッシーアイランド)を参照。
ミニバトル[]
特定の鍵のかかった扉に入ると始まる敵キャラとの対戦ゲーム。勝つと残機やスペシャルアイテムが手に入る。ミニバトル (ヨッシーアイランド)を参照。
移植・リメイク[]
- スーパーマリオアドバンス3 - 2002年9月20日 - ゲームボーイアドバンス
- ボイスや新ステージなどの追加要素がある。
- バーチャルコンソール スーパーマリオアドバンス3 - 2011年12月16日 - ニンテンドー3DS
- アンバサダー・プログラム専用。無料配信。
- ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン - 2017年10月5日
- スーパーファミコン Nintendo Switch Online スーパーマリオ ヨッシーアイランド - 2019年9月6日 - Nintendo Swicth
- ゲームボーイアドバンス Nintendo Switch Online スーパーマリオアドバンス4 - 2023年5月26日 - Nintendo Swicth
脚注[]
関連記事[]
- ヨッシーシリーズ
- スーパーマリオワールド
- スーパーマリオアドバンス3
- ヨッシー
外部リンク[]
スーパーマリオ ヨッシーアイランド
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