『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』(Super Mario Bros. Wonder)は、2023年10月20日に任天堂から発売されたNintendo Switch用ソフト。
概要[]
2Dスーパーマリオシリーズとしては2016年リリースの『スーパーマリオラン』以来7年ぶり、スーパーマリオブラザーズシリーズとしては2012年発売の『New スーパーマリオブラザーズ U』から実に11年ぶりとなる完全新作。2006年から続いた『New スーパーマリオブラザーズ』シリーズの作風の系譜を打ち切り、キャラクターの動作の描写など細かい所までほとんどの部分が刷新されている。新アイテム「ワンダーフラワー」を取得することで、マリオ達自身だけではなくステージ側に予期せぬ大きな変化と派手な演出が加わる現象「ワンダー」が発生、それまでにない独自の世界観と枠にとらわれない面白さを生み出している。
2023年6月21日放送のNintendo Directでソフトの情報が公開、同日から各種予約とダウンロード版の予約販売を開始した。
“The GameAwards 2023”において、ベストファミリー部門を受賞している。
ストーリー[]
舞台はキノコ王国より少し離れたフラワー王国。マリオ達はフロリアン王子にこの地へパーティーに招待されるが、そこへワンダーフラワーの不思議な力を狙うクッパが乱入。ワンダーによりフラワー城と合体したクッパは、各地に異変をもたらしながら国中を飛び回り始めた。マリオ達はクッパの悪事を止めに向かう。
前作との違い[]
- キャラクターのポージング・モーション
- 『New』シリーズでは真横を向いていたマリオ達が、本作では『スーパーマリオワールド』のように少し斜め前向きで描かれている。その他、表情が豊かになり細かいリアクションが増え、ジャンプ時や走行時、敵を踏む直前には予備ポーズに移行するなどキャラクターの魅力が押し出されている。クリボーやノコノコなど既存の敵キャラのモーションも『New』シリーズから新しくなっている。
- スコア制・時間制限の廃止
- 敵を倒したりコインを集めたりすることで溜まるスコアが、現代のゲーム観での重要性の低さに伴ってか完全撤廃された。その代わり、敵を連続で倒していくと「Good」「Great」「Super」「Fantastic」「Excellent」「Incredible」「Wonderful」の順に強い褒め言葉で返してくれるようになる。
- おなじくSwitchの新作アクション作品『スーパーマリオ オデッセイ』では残機制すらも廃止されたが、本作では撤廃こそしていないものの極端に残機を増やしやすくなっているなど無意味化が進んでいる。
- 効果音の総入れ替え
- 『New』シリーズでは流用が行われていたコイン取得、ジャンプ音などの多くの効果音が丸ごと新規の物に差し替えられている。
- ジャンプ音にはエゾマツで作られたエレキウクレレによる音色が使用されており、ジャンプの高さにより楽器をはじく強さを変えて演奏しなおすという初の試みがなされた。
- 土管に入る際にも上記の通りポージングを変更しているため、効果音を鳴らすタイミングを調整するなど細かい仕様がいくつか存在する。
- これらサウンド面のこだわりは、シリーズの楽曲を手掛けた近藤浩治直々のアイデア。
登場人物[]
プレイヤー[]
- マリオ
- 主人公。今までと異なり1Pがマリオに固定されなくなっている。
- ピーチ
- アクション作品では『スーパーマリオ ラン』以来、コンシューマ作品の本編に絞ると『スーパーマリオUSA』以来のプレイアブル化。
- デイジー
- アクション作品では『スーパーマリオ ラン』以来の、コンシューマ作品の本編では初のプレイアブル化。
- キノピオ
- あおキノピオ、きいろキノピオを操作可能。通常カラーのキノピオは登場しない。
上記6キャラには性能差がなく、アイテムによる変身が可能。
- ヨッシー
- アイテムとしてでなく、プレイヤーが操作できる形態としての登場。そのためマリオ達のサイズに合わせて、背中がかなりまっすぐに伸びている。みどりヨッシー、あかヨッシー、きいろヨッシー、みずいろヨッシーを操作可能。
- ふんばりジャンプ、食べる・吐き出す、他のプレイヤーを背中に乗せるといったおなじみのアクションを使用可能で、ヨッシーがヨッシーに乗ることもできる。
- トッテン
- 『Uデラックス』に引き続きプレイアブル化。
上記2キャラは敵の攻撃などに無敵でありノックバックするだけだが、落下などによるミスは無効化できない。また、アイテムによる変身はできない。
味方キャラクター[]
- おしゃべりフラワー
- ステージ中のあちこちに生えている、スピーカーの様な花弁を持つフラワー。日本語で話すボイスがついている。ヒントやコインをくれることもある。
- フロリアン王子
- フラワー王国の王子。マリオ達の頭にくっつき、冒険を共にする。後述のバッジは彼の冠に装備されることから、彼がいることでバッジの効果が発揮されると思われる。
- ポプリン
- 花のつぼみのような頭をしたフラワー王国の住人。クッパによって逃げ込んだ家ごとワンダーの影響を受け、牢獄に閉じ込められる。ゴールする事で救出され、中からワンダーシードを持って現れる。なんでも屋を経営している者や、各ワールドで独自の生活を営んでいる者もいる。
- キノピオ隊長
- ワールドの隠された場所に迷い込んでおり、話しかけるとフラワーコイン50枚をくれる。
- ハナチャン
- 各地の「ハナチャンレース」で競争相手となり、勝利するとワンダーシードをくれる。
- 化石ドラゴン
- 一部ステージのワンダーで登場。化石から蘇って空を飛び、プレイヤーを乗せてくれる。
ボスキャラクター[]
- クッパ
- ワンダーの力を得ようとワンダーフラワーに触れたところ、乗っていたクッパクラウンごとフラワー城と合体。クッパ城ならぬ「城クッパ」となり、フラワー王国の各地に異変をもたらす。
- クッパJr.
- ワンダーの力で、体が黒く染まった「ワンダークッパJr.」に変身する。ワールドによって異なるワンダーを駆使し襲ってくる。
- クッパメカメーカー
敵キャラクター[]
既存の敵キャラクター[]
新敵キャラクター[]
ワンダーで現れる敵キャラクター[]
- 影マリオ
- 影ノコノコ
- キングテレサ
- ワンダーエイミー
- ワンダーガシガシ
- ワンダーコロンポリン
- ワンダートッシン郡
- ワンダーハイデン
- ワンダーブースケ
- ワンダーロングキラー
その他[]
- カメック
- 雲パックン
パワーアップ[]
- ゾウ変身
- 鼻を活かしたアクションを得意とし、敵の撃破やブロックの破壊、水を吸ってまき散らすアクションが可能。
- アワ変身
- アワちびヨッシーのようにアワで敵を閉じ込めてコインに変化させたり、アワを足場にしたりできる。
- ドリル変身
- 頭上からの攻撃を防ぐことができる他、ヒップドロップで地面を掘ったり、床や天井に潜ったりすることができる。
ワンダー[]
不思議なアイテム「ワンダーフラワー」を取得することで発現し、ステージが激しく変化する。土管がシャクトリムシのように曲がりながら移動したり、マリオやクリボーの胴体が伸びたりなど、ステージごとに全く異なる常軌を逸した変化が起こり、空も幻想的な色合いになりワンダフルな世界に変化する。ワンダーシードを取得すると、その効果が消滅する。
アイテム[]
- コイン
- 100枚集めると1UPする。
- フラワーコイン
- フラワー王国のローカルコインとも思しき、花の形をした紫色のコイン。小粒に分割されてステージに散らばっているものもあり、それらは1粒を取得すると0.1ずつ集計されていく。なんでも屋でのアイテム購入に使う。10の価値がある10フラワーコインも存在し、各コースに3枚隠されている。
- スーパーキノコ
- チビマリオ状態からスーパーマリオに変身する。
- ファイアフラワー
- ファイアマリオに変身。
- ゾウフルーツ
- 新パワーアップ「ゾウマリオ」に変身する。
- アワフラワー
- 新パワーアップ「アワマリオ」に変身する。
- ドリルキノコ
- 新パワーアップ「ドリルマリオ」に変身する。
- ワンダーフラワー
- 不思議な変化「ワンダー」をステージなどにもたらす。その土地の力を蓄えて育ち、成長するとその力を解き放つと言われる。
- ワンダーシード
- 10フラワーコインと共に収集要素の一つ。ワンダー中に入手でき、取得するとワンダーの効果がなくなる。新しいステージを解放するために必要。ステージクリア時にも一つのゴールにつき一つもらえる。
- グランドシード
- 巨大なワンダーシード。クッパJr.を撃破したり、各地のポプリンから譲り受けることで入手でき、新たなワールドへの道を開く。
バッジ[]
装備する事で追加アクションが使えるようになったり、パワーアップしたりするアイテム。1度に1つだけ装備可能。バッジチャレンジをクリアしたりなんでも屋で購入する事で入手できる。コースの難易度を上げるようなものもある。
コース[]
6つのワールドが「フラワー諸島」を囲むような形でマップが構成されている。ワールドマップは基本的には従来のものと同様のシステムだが、広い場所に出ると『3Dワールド』のようにマップを自由に歩く事が可能になり、自由に範囲内のコースを選べる。一度クリアしたステージにはワールドマップ上の移動を省略して移動することも可能。
- W1 ドカンロック平原
- W2 モックモック高山
- W3 オーゴン滝
以降3ワールドは侵入が同時に可能になり、好きな順番に攻略することが可能。
- W4 ヒデリー砂漠
- W5 キンキン採掘場
- W6 マグマノ樹海
- フラワー諸島
- ワールド表記がなく、各ワールド間の架け橋のようになっている。最終ワールドを担う城クッパの城内も、扱い的にはフラワー諸島の一部となっている。
多人数プレイ[]
ミスになるとタマシイに変化。時間内に他のプレイヤーや配置したパネルに触れれば残機を失わずに復帰できる。
- おすそわけプレイ
- 1つの本体で最大4人プレイが可能。従来の『Newマリオ』のようにプレイヤー同士が干渉する他、ヨッシーがいる場合は乗ることも可能。
- オンラインプレイ
- 他のプレイヤーはライブゴーストとして表示され、互いに干渉することはないがタマシイを助けたりストックアイテムをおすそわけしたりすることが可能。
- フレンドで集まれば最大12人の部屋を作ることができる。1つのステージの同時プレイ人数は最大4人まで。フレンドレースという対人戦モードも収録。
脚注[]
関連記事[]
外部リンク[]
テンプレート:スーパーマリオブラザーズ ワンダー