マリオペディア
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{{Pathnav|マリオシリーズ|frame=1}}
[[画像:Smb.jpg|thumb|right]]
 
『スーパーマリオブラザーズ』(Super Mario Bros.)は、任天堂が発売したファミリーコンピュータ用ゲームソフトである。日本での発売日は1985年9月13日。
 
   
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{{コンピュータゲーム
略称『スーパーマリオ』『スーマリ』『マリオ1』『SMB』等。
 
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| Title = スーパーマリオブラザーズ
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| Dev = 任天堂
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| Pub = 任天堂
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| designer = [[宮本茂]]
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| composer = [[近藤浩治]]
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| Date = '''ファミリーコンピュータ、NES'''<br />
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{{flagicon|JPN}} [[1985年]][[9月13日]]<br />
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{{flagicon|USA}} [[1985年]][[10月18日]]<br />
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{{flagicon|EU}} [[1987年]][[3月15日]]<br />
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'''ファミリーコンピュータ ディスクシステム'''<br />
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{{flagicon|JPN}} [[1986年]][[2月21日]]<br />
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'''ゲームボーイアドバンス'''<br />
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'''バーチャルコンソール'''<br />
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{{flagicon|JPN}} [[2006年]][[12月2日]]<br />
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{{flagicon|USA}} [[2006年]][[12月25日]]<br />
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{{flagicon|EU}} [[2007年]][[1月5日]]<br />
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{{flagicon|KOR}} [[2008年]][[4月26日]]<br />
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| Sale = {{flagicon|JPN}} 約681万本<ref>{{cite web
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|url = http://www.famitsu.com/game/news/2004/01/13/103,1073988061,19947,0,0.html
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|title = 『ファミコンミニ』シリーズの全10タイトルを公開!
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|publisher = ファミ通
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|accessdate=10月25日
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|accessyear=2007年
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|}}</ref>(FC・FC-D版合計)<br />[[ファイル:Newworldmap.png|22px|世界]] 約4024万本<ref name="AB">[http://plusd.itmedia.co.jp/games/articles/0710/30/news004.html [[ITmedia|ITmedia +D]] レトロゲーム・アワード受賞! 「スーパーマリオブラザーズ」]</ref>
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| Genre = [[アクションゲーム]]<sup>※</sup>
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| Play = 1~2人用(2人交代プレイ)
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| Plat = [[ファミリーコンピュータ]](FC/[[Nintendo Entertainment System|NES]])<br />[[ファミリーコンピュータ ディスクシステム]](FC-D)<br />[[ゲームボーイアドバンス]](GBA)<br />[[バーチャルコンソール]](Wii)
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| Media = [FC]320K[[bit]][[ロムカセット|カセット]]<br />[FCD][[ファミリーコンピュータ ディスクシステム#ディスクカード|ディスクカード]](片面)<br />[GBA][[ロムカセット|カセット]]<br />[Wii VC][[ダウンロード販売]]
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| Rating = {{CERO-A}}
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| Device = (GBA)アドバンス専用通信ケーブル<br />[[ワイヤレスアダプタ]]対応
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| etc = ※説明書では「ファンタスティックアドベンチャーゲーム」と銘記
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}}
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『'''スーパーマリオブラザーズ'''』 (''Super Mario Bros.'') は、[[任天堂]]が発売した[[ファミリーコンピュータ]]用ゲームソフトである。日本での発売日は[[1985年]][[9月13日]]。略称は「スーパーマリオ」「スーマリ」など。
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ゲームウォッチでも同名のゲームが存在する(1988年発売。日本版は非売品として作られた<ref>参考リンク(個人ブログ) - [http://blogs.dion.ne.jp/mmbon/archives/2729588.html ゲームウォッチでも、『スーパーマリオブラザーズ』]</ref>)。
   
ゲームウォッチでも同名のゲームが存在する(1988年発売。日本版は非売品として作られた)。
 
 
== 概説 ==
 
== 概説 ==
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[[キノコ王国]]が[[クッパ (ゲームキャラクター)|クッパ]]率いるカメ一族に侵略され、キノコ王国のお姫様[[ピーチ (ゲームキャラクター)|ピーチ]]はクッパにさらわれてしまった。[[配管工]]([[大工]])の兄弟[[マリオ (ゲームキャラクター)|マリオ]]と[[ルイージ (ゲームキャラクター)|ルイージ]]はピーチを助け出すため、クッパが率いる敵たちを倒して陸海空を突き進み、いざクッパがいる城へ向かう。
ディレクターは宮本茂。社会現象とも言える空前の大ブームを巻き起こし、ファミコンゲーム、ひいては家庭用ゲームの認知度を高めるのに最も貢献したソフトであると言われている。シリーズ化され数多くの続編や外伝が出ており、またシリーズ以外にも多くの追随するゲームを生んだ(マリオシリーズを参照)。
 
   
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[[社会現象]]とも言える空前の大ブームを巻き起こし、ファミコンゲーム、ひいては家庭用ゲームの認知度を高めるのに最も貢献したソフトであると言われている。シリーズ化され数多くの続編が出ており、またシリーズ以外にも多くの追随するゲームを生んだ([[マリオシリーズ]]を参照)。また、2007年に米国IGNで初代『スーパーマリオブラザーズ』が「史上最も影響力があったゲーム100選」において1位に選出された(2位は『テトリス』)。
ちなみに、発売前後に人気を争ったソフトとして『プーヤン』などが挙げられるが、20年以上もの間シリーズが継続され、現在もその人気が衰えていないソフトは他に例を見ない。
 
   
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本作がゲームクリエイターに与えた影響力も大きく、[[小島プロダクション]]の[[小島秀夫 (ゲームデザイナー)|小島秀夫]]は本作に出会い「ゲーム」というメディアの可能性を感じたと述べており、25周年時には「ゲーム業界の[[ビッグバン]]」に喩えて賞賛している他、本作と出会った事が自身がゲーム業界へ進む原動となった事を明かしている<ref>[http://www.inside-games.jp/article/2010/09/25/44627.html 小島監督が『マリオ』を激賞「人類が作り出した最もすばらしい作品の一つ。自分の未来をも変えた」]</ref><ref>[http://www.officialnintendomagazine.co.uk/article.php?id=20072]</ref><ref name = "fami"/>。[[スクウェア (ゲーム会社)|スクウェア]]所属(当時。2010年現在は[[ミストウォーカー]]代表)の[[坂口博信]]はデータ構造とグラフィックが密接に結びついているゲームの奥深さを認識させられたと語っている<ref>『[[ニンテンドードリーム]]』2008年1月号 「クリエイターが語るマリオの思い出」より</ref>。また、セガ所属時代の[[中裕司]](2010年現在は[[プロペ]]代表)はこのゲームを徹底的に研究し、改めてその完成度の高さに驚愕した事を明かしている。そして本作の対抗作として『[[ソニック・ザ・ヘッジホッグ (1991年のゲーム)|ソニック・ザ・ヘッジホッグ]]』を生み出した事を語った。他にも[[稲船敬二]]や[[名越稔洋]]、[[三上真司]]や[[日野晃博]]などがその影響力や、完成度を賞賛している<ref name = "fami">『ファミ通』 2010年11月4日号 (No.1142) p52、p53 「特集2:おめでとう! スーパーマリオ25周年」クリエイターお祝いコメントより</ref>。
配管工(大工)の兄弟マリオとルイージが、クッパにさらわれたピーチ姫を助け出すというストーリー。
 
   
2人でプレイする場合はマリオが1プレイヤーキャラクター、ルイージが2プレイヤーキャラクターとなり、一方がミスした場合にプレイヤーを交代する。
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2人でプレイする場合はマリオが1プレイヤーキャラクター、ルイージが2プレイヤーキャラクターとなり、一方がミスした場合にプレイヤーを交代する。なお、それぞれのステージの進行度は独立している。
   
 
== 売り上げ ==
 
== 売り上げ ==
世界で4,024万本、日本で680万本以上を売り上げ、世界一売れたゲームとしてギネスブックに登録されている。 また、Wiiのバチャルコンソールでも、2007年6月現在、最もダウンロードされたゲームとなっている 680万という無論、日本のゲームソフトとしても1番の数字で(『ポケットモンスターシリーズ』はバージョンを合計してなら上回る)、シリーズ2番目の売り上げである『[[New スーパーマリオブラザーズ]]』ともまだ100万本以上開きがあり(20083現在)未だ破られていない
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日本国内で681万本以上、全世界で4,024万本を売り上げ、世界一売れたゲームとして[[ギネス・ワールド・レコーズ|ギネスブック]]に登録されている<ref>[[ゲムボイアバンス]]で発売された「[[ファミコンミニ]]」版は除外した数字ファミコンミニ版のみの販売本数は、国内では20周年記念の再発売版を含めて約130万本([[エンターブレイン]]調べによる)。</ref>。日本国内のゲームソフト売上歴代1(『[[ポケットモンスター (ゲーム)|ポケットモンスターシリーズ]]の作品バージョンを合計した場合にこれを上回る)の記録を持っており、シリーズ2番目の売り上げである『[[New スーパーマリオブラザーズ]]』とも約70万本開きがあり、世界売上では約1400万本の差がある。また、[[Wii]]の[[バーチャルコンソール]]でも、[[2007]][[6]]時点で最もダウンロードさたゲームとなっている<ref>[http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20350372,00.htm 任天堂Wii--バーチャルコンソールのダウンロードが470万件に] [[CNET|CNET Japan]] 2007年11月5日閲覧</ref>
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前述のバーチャルコンソールやファミコンミニ版、後述する各機種への移植版や[[スーパーファミコン]]の『[[スーパーマリオコレクション]]』などのリメイク版も大きな売上を記録しているものが少なくない。特に年齢的にファミコンを経験していない世代は『コレクション』など後年の移植でこの作品を実際にプレイしたという場合も多く、その影響を今なお大きくしている。
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開発者である[[宮本茂]]が[[日本放送協会|NHK]]『[[新・電子立国]]』のインタビューで語ったところでは、宮本自身は本作の売り上げを150万本程度と予想しており、世界で数千万本も売れたのは「完全に[[運]]だった」と回顧している。
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=== その後の更新記録について ===
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4,024万本という数字は同梱販売を含んでのものだが(備考として、『スーパーマリオブラザーズ』は欧米で[[Nintendo Entertainment System|NES]]との同梱販売が一部存在している)、同梱販売を含まない数字でも本作は相当な本数を売り上げており、同梱販売での本数を除外しての集計の場合は現在も最大である。
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同梱販売を含んでの集計の場合は、本作同じく任天堂から発売された『[[Wii Sports]]』の世界売上合計6619万本(2010年7月決算時点)が抜いている事が発表されており、この記録更新には実に23年かかっている。しかしこれは、[[北米]]と[[ヨーロッパ|欧州]]、[[オーストラリア|豪州]]地域<!--「地域」なのはニュージーランドを含むため-->での『Wii Sports』はWii本体と必ず同梱されての販売のため「Wiiの売り上げ=『Wii Sports』の売り上げ」であるという点が影響しており、かつ欧米では『Wii Sports』のソフト単体での販売はないので、単独販売のみで集計した本数は日本や[[大韓民国|韓国]]などアジアを中心とした少数の国のみのデータとなるため単純な比較は出来ず、注意が必要である。また、任天堂側も『Wii Sports』が同梱含めて販売本数が上回った際も特別なアピールは行わなかった。
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なお、日本のゲーム雑誌『[[ファミ通]]』や欧米の大手ゲーム雑誌や第3者機関が共同で行なった、世界全体のゲーム売上集計では同梱販売分を本数に含めておらず、現在も『スーパーマリオブラザーズ』が一番としている<!--参考として、2007年の世界合計売上1位は『[[コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア]]』の全ハードウェア版累計、2008年の1位は『[[マリオカートWii]]』、2009年の1位は『[[コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2]]』の全ハードウェア累計とされており、『Wii Sports』が含まれていないことが分かる-->。
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== バリエーション ==
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''第2作以降のシリーズ作品は[[マリオシリーズ]]を参照のこと。''
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* スーパーマリオブラザーズ ([[ファミリーコンピュータ]]・[[1985年]][[9月13日]]、[[ファミリーコンピュータ ディスクシステム|ディスクシステム]]・[[1986年]][[2月21日]])
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** VS.スーパーマリオブラザーズ ([[アーケードゲーム]]・[[1986年]])
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** [[オールナイトニッポンスーパーマリオブラザーズ]]([[ファミリーコンピュータ ディスクシステム|ディスクシステム]]・[[1986年]])
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** [[スーパーマリオブラザーズデラックス]] ([[ゲームボーイカラー]]専用・[[2000年]][[3月1日]])
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**: ※日本では[[ニンテンドウパワー]]による書き換え販売のみ。現在は終了しているため中古販売以外での入手は不可能。
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** [[ファミコンミニ]]01 スーパーマリオブラザーズ ([[ゲームボーイアドバンス]]・[[2004年]][[2月14日]])
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**: ※2005年9月13日に'''スーパーマリオブラザーズ生誕20周年'''として再発売。
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** [[バーチャルコンソール]] スーパーマリオブラザーズ ([[Wii]]・[[2006年]][[12月2日]])
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**: バーチャルコンソールソフトとして[[Wiiショッピングチャンネル]]で販売。[[大乱闘スマッシュブラザーズX]]には[[体験版]]が収録。
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** スーパーマリオブラザーズ25周年バージョン(Wii・[[2010年]][[11月11日]])
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**: Wii(スーパーマリオ25周年仕様)に内蔵。バーチャルコンソール版をベースに、ハテナブロックが「25」となるなど、一部デザインが変更されている。ゲーム内容は同じ<ref>[http://www.nintendo.co.jp/mario25th/wii/ スーパーマリオ25周年キャンペーン:Wii(スーパーマリオ25周年仕様)]</ref>。
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『[[スーパーマリオコレクション]]』 ([[スーパーファミコン]])にもリメイクされて収録されている。こちらは『[[スーパーマリオブラザーズ2]]』、『[[スーパーマリオブラザーズ3]]』、『[[スーパーマリオUSA]]』のリメイクも一緒に収録されている。『スーパーマリオコレクション』は[[2010年]][[10月21日]]に[[Wii]]版が発売された。
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なお、『[[マリオブラザーズ]]』はアクションや敵キャラ等の要素が似ており、基礎となったゲームといえるが、基本システムやストーリーにおいての関連性、類似性は薄い。
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=== 各機種版の特徴 ===
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==== ディスクシステム版 ====
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ディスクシステム版の内容は基本的にロムカセット版をベースとしているが、ゲーム起動時にロゴが表示されるなどの相違点もある。
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==== オールナイトニッポンバージョン(ディスクシステム版) ====
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{{Main|オールナイトニッポンスーパーマリオブラザーズ}}
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[[ラジオ番組]]「[[オールナイトニッポン]]」([[ニッポン放送]])が放送20周年を記念して[[1986年]]に発売した限定生産のソフト。基本的には『スーパーマリオブラザーズ』と変わりないが、一部グラフィックの差し替えや、続編『2』からの要素の追加など、いくつかの点で変更が加えられている。
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本作は、[[2010年]]現在、『[[グラディウス (ゲーム)|グラディウス アルキメンデスバージョン]]』([[コナミ]])とともに中古ソフト市場で高値で取引されている。
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==== パソコン版 ====
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[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]版として、[[ハドソン]]から[[NEC]]の[[PC-8800シリーズ]]と[[シャープ]]の[[X1]]シリーズ向けに発売された『'''スーパーマリオブラザーズスペシャル'''』というものも存在する。マップの変更やキャラクター、[[アイテム]]の追加などが行われているが、ハードの制約などから、ゲーム内容に変更(画面内の右端にタッチする事により次の画面へ切り替わる)が加えられており、操作性も悪いため、難易度は相当厳しいものになっている。
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==== ゲーム&ウオッチ版 ====
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日本国外では[[ゲーム&ウオッチ]]版も存在するが、内容が異なる(日本では[[ファミリーコンピュータ ディスクシステム|ディスクシステム]]の大会の景品としてのみ存在している)。また、画面が透明なクリスタルスクリーン版と、ニューワイド版(及びキーチェーンサイズのMini Classics版)ではキャラクターグラフィックが異なる。
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==== 任天堂VS.システム (アーケードゲーム)版 ====
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[[1986年]]にリリースされた[[任天堂VS.システム]]版の『'''VS. スーパーマリオブラザーズ'''』はステージは1-1から8-4までの32面構成であるが、本作と『[[スーパーマリオブラザーズ2]]』のステージが組み合わさっている。また、ステージ内やゲーム内容においても以下のような違いがある。
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* 地形やアイテム・敵キャラの配置が、一部変更されている(特に、段差部分の[[ノコノコ]]など、無限1UPの原因になるような配置が排除されている)。
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* ループゾーンは、オリジナルと正解ルートが異なるステージも存在する。
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* [[永久パターン]]を防ぐため、無限1UPができない(1回だけなら1UPできるため、実際には永久パターンが構築された)。また、1UPキノコの出現にも制限がある(一度ミスをすると、その面に設置された1UPキノコは通常のキノコ(またはファイヤーフラワー)に変更される)。
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* 店舗側の設定により、1UPに必要なコインの枚数を100枚、150枚、200枚、300枚の中から設定できるため、コイン表示が3桁になっている(標準設定では150枚)。
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* ランキング画面が存在し、ランクインすると名前入力(アルファベット3文字まで)ができる。その際にオリジナルの曲も流れる。
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* 『[[スーパーマリオブラザーズ2]]』のようにステージ4のお城ステージをクリアした際にもタイムボーナスが得られる。
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* エンディングの音楽が2のようにロングバージョンになっている。理由は容量が増えたからと思われる(リメイク版(スーパーファミコン)では『3』との共通バージョンでのロングバージョンのエンディングになった)。
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* エンディング自体も、2と同様の残りタイム×50点と1機×100000点のボーナスに変わっている。
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* ゲームオーバー時に追加クレジットでコンテニュー可能。
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本作は任天堂のアーケード撤退後にリリースされたため、国内未発売となっているが、近年になって並行輸入版が大量に出回っており、現在ではメーカー直営店などを含めた多くの店舗でプレイすることが可能である。地域によっては、下手な新作ビデオゲームよりも多くの店で稼働している。また、店舗側でも[[ファミリーコンピュータ|ファミコン]]用のコントローラーを改造して接続するなど、通常よりも優遇された設置状況であることが多い。
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==== その他・海賊版など ====
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当時任天堂の影響力が及ばず、ファミコン以外のゲーム機やパソコンが普及していた[[東アジア]]や[[中央ヨーロッパ]]などで、発売当時から海賊版および非公式なコピー版も多く出回った。各国の大手ゲームメーカーが製造した有名なパクリゲームの例をいくつか挙げると、
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*東アジアでは[[韓国]]の大手MSX([[大宇]]・[[Zemmix]])用ゲーム・周辺機器メーカーである[[:ko:재미나|ZEMINA]]から1989年に『Super Boy』がリリースされた。BGMの音階が狂っていたり、操作体系が劣悪な上ジャンプで倒せないはずの敵が簡単に倒せたりとドット絵がおおよそ同じである以外は完全な劣化品といえる。現在でも[[東南アジア]]や[[東アジア]]などでは露天で普通に販売されていることがある。
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*中央ヨーロッパでは[[ドイツ]]の大手ゲームメーカーである[[:en:Rainbow Arts|Rainbow Arts]]から1987年に[[コモドール64]]用ゲーム『[[グレートギアナシスターズ]]』がリリースされた。こちらはイギリス版が発売された時点で任天堂法務部の怒りを買って販売停止となったが、欧米ではいまだにカルト的ファンがおり、2009年には(公式に)[[Nintendo DS]]に移植された。
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現在、ネット上には違法にアップロードされたスーパーマリオブラザーズのゲームデータが多数存在し、改造できるソフトまで出回っている。
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また動画共有サイトには、個人がファミコン版を[[Microsoft Excel]]へ移植してプレイする動画がアップロードされていたり、あるいは日本未発売の[[ゲーム&ウォッチ]]版を[[iアプリ]]に移植されたものをプレイしている動画があったりする。
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{{ネタバレ}}
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== システム ==
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このゲームは、地上、地下、海中、アスレチック、クッパ城といった多彩なステージで敵を倒し或いは避け、また穴に落ちないように気をつけながら制限時間内にゴールにたどり着くことが目的となる。それまで1画面表示で固定されているのが普通だったテレビゲームに「'''横スクロールアクション'''」という概念とジャンルを普及、定着させ、以降同様の形式のゲームが続々と現れることになった。[[スムーズスクロール]]とも言える表示処理は、多くの類似したゲームと比較しても優れた箇所が多い。
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=== コース ===
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8つのワールドで構成され、それぞれのワールドには4つのエリア(ステージ、コースともいう)がある。基本的には、エリア1が地上ステージ、エリア3がアスレチックステージ(ワールド2・7は吊り橋ステージ)、エリア4がクッパ城という構成になっている。エリア2については、ワールド3・5・6・8が地上ステージ、ワールド1・4が地下ステージ、ワールド2・7が海中ステージと3種類のバリエーションがある。また、エリア3についてはワールド8のみ地上ステージという例外がある。
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地上ステージは最も基本となるステージ構成であり、障害物はあまり多くなく、敵キャラクターをあしらいつつ先に進むことがメインとなる。地下ステージは地上に比べて障害物が多く、狭い空間をくぐり抜けたり、またその中で敵キャラクターと対峙する必要がある。また、見た目やBGMが一転しておどろおどろしくなる。アスレチックステージは他のステージに比べて敵キャラクターが少ないかわりに足場が少なく、穴に落ちないようにジャンプをコントロールして進むことがメインとなる。吊り橋ステージは空中を絶えず飛び交うプクプクをダッシュで避けつつ進むことがメインとなる。水中ステージは特殊であり、走り&ジャンプではなく泳いで進むことになる。そのため他のステージと全く異なった操作感覚となる。BGMも浮遊感のある雰囲気に変化する。クッパ城ステージは各ワールドの最後ということで全体にかなり難易度が高く設定されており、ファイヤーバーなどに阻まれた狭く穴の多い通路をくぐり抜ける高度なアクションが要求される。さらに、一部の城には[[無限ループ]](正解のルートを通らなければ、また同じ場所に戻ってしまう)も存在し、以降の作品でもこれと似たような仕掛けが登場する場合がある。BGMは最も緊張感のある雰囲気となる。『スーパーマリオコレクション』、『スーパーマリオブラザーズデラックス』では無限ループの城面でマリオが正しい道を通ったかどうかを判定する為『[[スーパーマリオワールド]]』同様[[チャイム]]が鳴るようになった。
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エリア1~3はゴール地点にあるポールにつかまり、旗を掲げればクリア。このとき、ポールにしがみついた位置が高いほど高得点が入る。エリア4はステージ奥で待ちかまえるクッパを倒すとクリアとなり、次のワールドに進める。このようにして8-4(ワールド8のエリア4)に到達しこれをクリアするとエンディングを迎えることができる。
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一度エンディングを迎えた後はタイトル画面でワールドの選択ができるようになるほか<!--FC版は厳密に言うと周回プレイではない-->、ゲーム中にはクリボーがメットになり敵キャラクターの移動速度が速くなる、踏んだノコノコやメットの復活が早くなる、敵の数が増える、リフトが短くなる、ファイアバーが追加されるなどで難易度が高くなる。これを通称「裏面」「2周目」などと呼ぶことがある。
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*一度クリアした後は1-3と5-3、1-4と6-4(クッパがハンマーを投げるか否かは除く)、2-2と7-2、2-3と7-3、2-4と5-4がそれぞれ全く同じシーンとなる。
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各面にはTIMEが設定されており、ゲームが始まるとこの数値がカウントダウンし始める。設定TIMEは400または300で、カウントダウンのペースは[[秒]]よりもかなり速い(1カウントはおよそ0.4秒)。この数値が0になるまでに、エリアをクリアしなければならない。TIMEが100未満になるとそのことを示す警告音が流れ、BGMのテンポが速くなる(『スーパーマリオコレクション』ではTIMEが100未満になった時の効果音が『スーパーマリオワールド』と同じ警告音が使われた)。エリア1~3をクリアしたときは、残りのTIMEの数値が得点に精算される。
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ミスをした場合、ミスした地点からではなく、スタート地点、あるいはステージによっては中間地点から再スタートするようになっている。各ワールドのクッパ城ステージと8ワールドの全ステージはスタート地点からの再スタートとなっていて、一度ミスした後の難易度を高めている要因となっている。
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=== アクション ===
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マリオが取るアクションは通常は水平方向への移動とジャンプのみであり、敵を倒す場合は踏みつけるか足場越しに突き上げるしかない。また、Bボタンを押しながら移動すると早く移動する(走る)ことができる('''Bダッシュ''')。
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Aボタンを押すとジャンプできる。ボタンを押した長さによって高度が変わったり、ジャンプ中に左右に十字キーを押すことで飛ぶ軌道や着地点を操作できる、Bダッシュによって加速度をつけて遠くに跳べるなど、自由度の高い制御が可能である。また、ジャンプ中の左右への制御はマリオの後ろ側に利き易いという特徴がある。このジャンプシステムは後の多くの作品にも模倣され、システムについて「マリオジャンプ」なる呼称も生まれたが、この制御の利き易いジャンプシステムの初出は本作ではなく、『[[パックランド]]』と言われている。
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マリオはアイテムを取ることによりスーパーマリオ、ファイアマリオへとパワーアップすることができる。'''スーパーマリオ'''は身長が普通のマリオ(チビマリオ)の2倍になり、レンガブロックを下からパンチして破壊することができるようになる。また、'''ファイアマリオ'''はBボタンでファイアボールを投げることができ、ファイアボールを敵にぶつけると、踏めない敵や水中の敵でも倒すことができる。ただし、ファイアボールが効かない敵も存在する。
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また、ノコノコやメットなど甲羅を持つ敵を踏みつけるとその敵は気絶し、その間は触れると甲羅を前方に蹴飛ばすことができる。その甲羅が他の敵に当たれば、その敵を倒すこともできる。甲羅で連続して敵を倒すか、あるいは連続で敵や甲羅を踏みつけると得られる得点が増加していく。そして8000点が出るとその次以降は[[1UP]](残機が1つ増える)となる。ただし甲羅は障害物に当たると跳ね返って反対方向に進む。このシステムを応用して、階段状の地形で甲羅を踏み続けて1UPを続ける技術がアーケード版の項で述べた「無限1UP([[無限増殖]])」である<!--無限増殖は簡素に書いておかないと、前述の「永久パターン対策」などの意味が原作を知らない人では意味不明になるので一応書いています-->。
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敵キャラクターや自分の蹴った甲羅などに正面または下からぶつかるとダメージを受ける。水中面の敵や「踏めない敵」、ファイアバー、敵が放つ武器はどの方向からぶつかってもダメージとなる。ダメージを受けた場合、スーパーマリオかファイアマリオの場合はチビマリオに戻り、チビマリオの場合は1ミスとなり残機数が1つ減る。また、穴に落ちた場合やTIMEが0になった場合はマリオの状態に関係なく1ミスとなる。
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  +
ゲームスタート時の残機数は3から始まり、残機数が0になると[[ゲームオーバー]]。ゲームオーバーになるとワールド1からの再スタートとなるが、Aボタンを押しながらスタートボタンを押すことで、ゲームオーバーとなったワールドの最初からやり直すことができる。
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  +
== 登場キャラクター ==
  +
=== 主要キャラクター ===
  +
; [[マリオ (ゲームキャラクター)|マリオ]]
  +
: 主人公。得意のジャンプとダッシュでピーチをさらったクッパを倒し、キノコ王国を救うために冒険に出る。
  +
; [[ルイージ (ゲームキャラクター)|ルイージ]]
  +
: マリオの双子の弟。2人交代プレイの場合は、コントローラIでマリオを、コントローラIIでルイージを操作することになる。しかし説明書にはルイージに関する記述が全く載っていない。
  +
; [[ピーチ (ゲームキャラクター)|ピーチ]]
  +
: キノコ王国の姫。希望の魔法が使え、クッパの魔法を解くこともできる。クッパによってワールド8の城に囚われている。
  +
; [[キノピオ]]
  +
: ピーチに仕えるキノコ王国の住人。ワールド1から7までの城に囚われている。
  +
; [[クッパ (ゲームキャラクター)|クッパ]]
  +
: キノコ王国を乗っ取ろうとする「カメ一族」の親玉で大魔王。魔法によってキノコ王国の住人をブロックなどに変えてしまった。
  +
: 全8ステージの城に登場するが、キノピオが囚われているワールド1から7までの城に登場するのは部下が変身した偽者でありファイヤーボールで倒せばその正体を確認できる。偽者の正体はステージ1から順に[[クリボー]]、[[ノコノコ]]、[[メット]]、[[トゲゾー]]、[[ジュゲム]]、[[ゲッソー]]、[[ハンマーブロス]]である(『2』でもこの順は一緒である)。
  +
:攻撃手段はワールド1~5までは炎、ワールド6と7はハンマー投げ、ワールド8の本物のクッパはハンマー投げと炎の両方を使う。
  +
  +
=== 敵キャラクター ===
  +
{{see|マリオシリーズのキャラクター一覧#スーパーマリオブラザーズ}}
  +
  +
== 仕掛け ==
  +
=== ブロック ===
  +
空中に浮いていて、足場に出来る。これはキノコ王国の住人がクッパの魔法によって姿を変えられたものである<ref>スーパーマリオブラザーズ 取扱説明書</ref>。
  +
; ハテナブロック
  +
: 「?」と書かれた黄色いブロック。叩くとコイン1枚、またはパワーアップアイテムが出現する。中の物が無くなると茶色のブロックに変化する。
  +
; レンガブロック
  +
: 大きい状態(スーパーマリオ、ファイアマリオ)で叩くと壊れる。アイテムが入っているブロックもある。このブロックの上に敵が乗っていて、その時に下から叩く(マリオの状態は関係なし)と、その敵にダメージを与えることもできる。コインが乗っていれば、下から叩いて取ることができる。
  +
; 階段ブロック
  +
: ゴール前の階段などのブロック。大きい状態で叩いても壊れない。見た目以外の性質は茶色のブロックと同じ。
  +
; 隠しブロック
  +
: 場所によってはジャンプして下から当てることにより、何も無い空間に突然これが現れることがある。出現する前なら、横や上からすり抜けることができる。コイン1枚か1UPキノコが出てくる。コイン1枚のブロックは必ず出現するが、1UPキノコのブロックはプレイ内容に応じて出現するかしないかが変わってくる。出現させると茶色のブロックになる。このブロックを出現させないとクリアできないステージもある。
  +
; 茶色のブロック(仮名)
  +
: 既にコインまたはアイテムが出た後のブロック。足場にできるが大きい状態で叩いても壊れない。
  +
  +
=== その他 ===
  +
; 土管
  +
: 地面やブロックから地上に突き出ている土管。何も起こらず置いてあるだけのもの、パックンフラワーが出てくるもの、下ボタンで入って地下(海)のボーナスステージに行けるもの、別ワールドへワープできるものがある。空中に浮いていても入れる可能性がある。
  +
; 豆の木
  +
: 特定のレンガブロックを叩くと伸びてきて、雲の上まで上ることが出来る。ボーナスステージやワープゾーンに行ける。
  +
; リフト
  +
: 横に長く、宙に浮いている。外見は鉄骨をイメージしたものと思われる。一定の場所を上下または左右に往復しているもの、上から下にもしくは下から上に連なって流れていくもの、乗るとすぐに落ちるもの、2つが滑車で天秤のように吊るされていて、乗った方が重力で落ちていく(そのまま乗り続けていると綱が切れて両方落ちる)ものとがある。
  +
; ジャンプ台
  +
: バネ付きの台。乗ってタイミング良くAボタンを押すと通常より高くジャンプすることが出来る。高所のレンガブロック、ハテナブロックを叩くのに有効。また、壁を越えクリアする為に使う面もある。
  +
  +
== アイテム ==
  +
コイン以外は画面内に1つまでしか出すことができず、2つ目を出すと前に出したアイテムは画面から消えてしまう。例えば、[[スーパーキノコ]]が画面内にあるときにスーパースターを出すと、スーパーキノコは消えてしまう。
  +
; コイン
  +
: 100枚(アーケード版では店舗側の設定により100,150,200,または300枚から選ばれた枚数)集めるごとにマリオの残機数が増える。空中に浮かんでいるものの他、ハテナブロックや隠しブロックを叩いて出現するものもある。ボーナスステージではコインが大量に置かれている。また、コインを取ったときの「チャリーン(「コイーン」と表現されることもある)」という効果音は任天堂のCMでサウンドロゴ(CMエンディングのNintendoのロゴが光った時に鳴る)として使われた他、ゲームボーイの起動音や一部の任天堂のスーパーファミコンソフトの社名ロゴ時SEにも使われているため、知名度が高い。
  +
; [[スーパーキノコ]]
  +
: マリオが小さい時に出てくる、赤色と黄色の模様のキノコ。所定のブロックを叩くと出てきて地面を右側に移動していく。取ると前述のスーパーマリオになる。
  +
; [[ファイアフラワー]]
  +
: スーパーマリオの状態でスーパーキノコの入ったブロックを叩くと出てくる。取ると前述のファイアマリオになる。なお、出してからダメージを受けてチビマリオになった後に取った場合は、スーパーマリオになるだけである。
  +
; [[マリオシリーズのアイテム一覧#キノコ|1UPキノコ]]
  +
: 緑色と黄色の模様のキノコ。ブロックを叩くと出てきて地面を右側に移動していく。取ると残機数が1つ増える。このキノコが出現するブロックの右隣のブロックを予め壊しておくと、出現した1UPキノコが(落ちるのを避けるために)右側に1ブロック分ジャンプすることもある。また、何も無い空中の隠しブロックから出現することもあるが、確実に出てくる場所と、直前のステージの行動や同じステージでの失敗の有無などに因って出現しない場所とが混在する。なお、アーケード版では一度ミスをしたステージの1UPキノコはスーパーキノコ(またはファイアフラワー)に置き換えられる。
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; スーパースター
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: 光る星の形をしたアイテム。ブロックを叩くと高く跳ねながら移動する。取ると一定時間無敵になり、触れるだけで敵を倒せるが、無敵状態であっても画面外に落ちたりタイムオーバーになった場合はミスとなる。
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<!--Wikipediaは裏技を載せる場所ではない。 == 有名な裏技・ネタ ==
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本作はその人気のため、開発者が意図してないもの含めて多数の裏技が発見された。その中には後の作品に影響を与えたものも多く、以下はその代表的なものである。「アンダーカバー」については後述する。
  +
  +
; 無限増殖
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: 「[[無限増殖]]」、「無限1UP」などの呼称が存在する。
  +
: 敵キャラを着地せず連続で踏み続ける・蹴った甲羅で連続して倒すなどすると敵を倒した際の得点が増加していき、8000点に達した後は1UPとなってマリオの残数が増えるというゲーム上の仕様を利用したもの。階段状の場所でタイミングを合わせて甲羅を踏むと階段にぶつかって跳ね返ってくるため連続して踏み続けることが可能で、制限時間が許す限りマリオの残数を増殖させ続けることができる。数ある裏技の中でも特に有名な技である。 この技は開発者が意図して組み込んだものではなく、マリオの残数カウンターの限界値を超えた状態でミスすると「残数がマイナス」と認識され、ゲームオーバーになってしまう仕様が存在するため、厳密に「無限」ではない。
  +
: ゲームソフトにおけるこのような裏技は「[[永久パターン]]を可能とするもの」として後期生産版や移植などで改修されてしまうのが通例だが、本作では改修されることがなく、移植作や続編などでは意図的な仕様として残された。なお、前述のようにアーケード版では改修が施され、この技は使用できなくなった。
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; キンタマリオ
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: 天井裏にパワーアップしたマリオが登った状態で、画面上にあるコイン欄のコイングラフィックにマリオを重ねると、マリオの股間にちょうどコインが重なって股間が光り輝くように見えるというもの。ゲーム攻略などには一切影響しないいわば「一発芸」であるがかなり知名度が高く、後の任天堂作品においてこれを意識したと思われるネタが時折登場している。
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; <span id="WORLD -1">WORLD -1</span>
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: ワールド表示が「 -1」(内部ではワールド36、「-」の前は空白)となった謎のステージワープしてしまうというバグ技。ROMカセット版、アーケード版、ディスクシステム版のそれぞれで出現するステージの構成が異なっている。下記の「アンダーカバー」(ワールド256)ほど有名ではないが、ディスクシステム版は奇しくもアンダーカバーでよく見られるような水没した地上ステージであり、こちらも『スーパーマリオブラザーズ2』のワールド9にも影響を与えたといわれている。
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== アンダーカバー ==
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このゲームにおけるアンダーカバーとは、ソフトのバグ・イレギュラーな操作・改造により出現する、通常出現し得ないステージのことである。
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=== アンダーカバーにまつわる経緯 ===
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1985年、『スーパーマリオブラザーズ』はワールド9まであるという噂が当時の小学生を中心に飛び交った。ゲーム雑誌『[[ファミリーコンピュータMagazine]]』は一般人からの「[[雷]]のショックでワールド9が出現した」と称する投稿写真を掲載。他の雑誌もワールド9の情報を相次いで掲載した。このワールド9は「マリオが地上で泳ぐ、ブロックが珊瑚に変化している、土管の色が違う」など他のステージではありえない事だらけであった。最終的には正規の8ワールドを含む256種類のワールドが出現する可能性があることが分かり、これらは「アンダーカバー」「256ワールド」「256面」「マイナス面」などと呼ばれ、『[[USO!?ジャパン]]』では「スーパーマリオX」という造語で紹介した。また、イレギュラーな操作によってこれらを出現させる方法が明らかにされ、これを行ったユーザーから「ファミコンが壊れた」という問い合わせが雑誌社に寄せられる事態となった。そのような中、『ファミリーコンピュータMagazine』がプロデューサーである宮本茂にインタビューし、原因は「[[ノイズ]]」だという事が発表された。同時に、正常な動作ではなくファミコンを壊す危険もあるという警告がなされている。
   
  +
なお、[[スーパーマリオコレクション]]版や[[ファミコンミニ]]版にもアンダーカバーは存在する。また、GBC版「スーパーマリオブラザーズデラックス」にもアンダーカバーに類するものが存在するが、内容は大きく異なる。
宮本がNHK「新・電子立国」のインタビューで語ったところでは、宮本は本作の売り上げを150万本程度と予想しており、世界で数千万本も売れたのは「完全に運だった」と回顧している。
 
   
== 人気理由 ==
+
=== アンダーカバー特徴 ===
  +
意図して設計されたものでないこともあってクリア不能なステージ<ref>スタート地点が穴の上でありスタート時に強制的に転落させられゲームオーバーになる、スタート時に残りタイムがなくカウントダウン開始とともに即タイムアップとなる、無限ループとなっておりタイムアップを待つしかない、画面がフリーズまたはブラックアウトして動かなくなる、突然リセットされタイトル画面に戻される、など。</ref>が非常に多い。また正規ワールドと異なり、ワールド内のステージ数は4面でないワールドが多い。またクリアできるステージにおいてもボーナスステージには行けない。
本作が、爆発的な人気となった理由としては、以下のような要素が考えられる。
 
   
  +
1986年に発売された『スーパーマリオブラザーズ2』では、正式な仕様としてワールド1から8まで'''ワープゾーンを一切使用せずに'''クリアすると「ワールド9」が出現する。このワールドは、地上風の水中面や旗の直前に出現するクッパなど、アンダーカバーを意識したような特殊な構成となっている(リメイク版も同様)。
=== 外面的親しみやすさ ===
 
; 明るく覚えやすいBGM : 非常に有名な地上BGMに代表されるような、明るい曲調がメインであり、楽しく親しみやすい印象を与える。
 
; ポップなグラフィックデザイン : 当時主流だった黒バックの画面でなく、空の青が強調された明るいイメージである。また、主人公だけでなく敵キャラも愛らしくデザインされている。
 
   
=== 分かりやすさ ===
+
== 備考 ==
  +
数々のゲーム雑誌などでも絶大な評価を得ており、『[[ファミ通]]』1000号記念に行われた「読者が選ぶ未来に伝えたいゲーム」なるアンケートではダントツの1位を獲得している。なお、『ファミ通』では800号記念に行われた同様の企画でこのゲームを「50年後に伝えるゲームのタイムカプセル」の1つに選定しており、編集部で保管されている。また、[[2007年]][[9月22日]]に行われたTOKYO GAME SHOW 2007で、人気番組『[[ゲームセンターCX]]』と『[[日経エンタテインメント!]]』と共同でのイベントとして行われた「レトロゲーム・アワード2007」<ref>[http://plusd.itmedia.co.jp/games/articles/0709/22/news028.html ITmedia +D Games] - レトロゲーム大賞に『スーパーマリオブラザーズ』レトロゲーム・アワード2007。</ref>で大賞を受賞した<ref>これはゲームを表彰する舞台が存在しなかった20年前に、もしこういったイベントがあればと想定して企画されたもの。選出対象に該当するのは、1985年から1987年に発売されたゲームとなっている。</ref>。
; 明確な目的 : 目的は「右へ進むこと」だけであり、シンプルである。さらに、「開始時にマリオが右を向いて立っている」「左へスクロールしない」「右終端には明らかにゴールと分かる旗がある」などから、自然にその目的を理解できるようになっている。
 
; その他の直感的なルール : 「踏むと倒せるが、横から当たるとミス」「穴に落ちるとミス」「パワーアップ中にミスするとパワーダウン」などのルールを、キャラクターデザインや、アニメーションの効果によって明快に表現している。
 
; 単純な操作性 : 基本的には左右移動とジャンプだけで操作でき、後半の難所まで行かない限り特別な操作を必要としない。
 
   
  +
本作はエンディングまで8ワールドの構成だが、開発段階では全5ワールドの予定とされていた。だが、ワールド数を増やしたい宮本茂は、A3サイズの用紙を2つ折りにしてA4サイズの企画書と見せかけ、5ワールドまでの概略が書かれた片面を見せて許可が下りた直後に、折られた裏側に書かれていた8ワールドまでの構想を見せ、強引に納得させて企画を通したという逸話がある。なお、本作のワールド5以降のステージで、以前のワールドに出たステージの構造を流用したコース(例:W2-2とW7-2、W2-4とW5-4、W1-4とW6-4)が登場するのは、スタッフにこの8ワールドの構成案を納得してもらうためであった<ref>[http://www.nintendo.co.jp/ds/interview/bkij/vol2/index6.html 社長が訊く『ゼルダの伝説 大地の汽笛』携帯機ゼルダの歴史 篇 [番外篇2]『裏ゼルダ』の裏話]</ref>。
=== バリエーションの豊富さ ===
 
; 面のバリエーション : 地上・地下・海・空・城という5場面があり、BGMも変化するので、退屈することがない。また、各面のマップも単に難易度の上下だけでなく各々異なったテクニックを要求するような趣向が凝らされている。
 
; 敵キャラのバリエーション : 動作パターン、攻撃方法がそれぞれ異なった多くの敵キャラが出現する。倒し方も踏みつけ・突き上げ・甲羅アタック・ファイヤー攻撃など豊富で、さらに敵によって効く攻撃と効かない攻撃もある等 戦略のバリエーションも多彩である。
 
; 主人公のパワーアップ : パワーアップにより、ブロックを壊せるようになったりファイヤーで攻撃できるようになったりという、ゲームの流れそのものを変えるような変化を得ることが出来る。また、巨大化という演出も子供心を刺激するスパイスとなっている。
 
; 仕掛けの豊富さ : 隠しアイテムや隠しステージ、ワープゾーンなど意表を突く仕掛けが数多く存在する。
 
   
  +
本作はポール越えは基本的にできない事となっているが、越える事ができた場合は[[裏技]]として認定された。ちなみに[[ファミリーコンピュータMagazine]]でポール越えを果たした読者投稿による写真も掲載された。
=== 快感要素 ===
 
; 敵キャラ倒しの快感 : スター効果時の体当たりやファイヤーによる攻撃は形勢逆転の感があり爽快感が高い。また、甲羅攻撃によって敵キャラを一掃する倒し方も、そのスピード感も相まって非常に爽快感が高い。さらに得点アップ→1upというボーナスも成功時の満足感を増強している。
 
; コイン集めの快感 : 隠しステージを発見した時や特定のブロックを叩いた時にはコインが一度に多く得られるが、この時、得点アップや100枚集まると1upという実利的な要素の他に、単に「隠れた場所に大量のごほうびを見つけた」という喜びや、「かき集める」という行為そのものの快感がある。またコイン取得時のサウンドの爽快感がそれを増強している。
 
; Bダッシュ&ジャンプの快感 : 初心者はゆっくりと進めることができるし、上級者はBダッシュで短時間に攻略することもでき、技量の上達を楽しむことができる。また、ジャンプの高さ・滞空時間の設定、ジャンプ時の効果音が絶妙であり、特に加速大ジャンプにより一気に飛び越える時の快感は、目立たないが重要な快感要素である。ジャンプの軌跡の描き方も見事なものである。
 
   
=== 奥深さ ===
+
== 注釈 ==
  +
{{Reflist}}
; 操作の奥深さ : 上記の単純な操作性を有しながらも、加速することでより高く遠く飛べたり、しゃがむことで巨大化状態のままでも狭い所へ入れたりという付加的なテクニックもあり、また、それらのテクニックを駆使することでより高得点が得られたりアイテムを獲得できたりという見返りがあることから、練習して上達する意欲をかきたてられる。
 
; 様々な目標設定が可能 : ワールド8のクッパを倒す(=最終面の最右端に到達する)という本来の目的の他に、できるだけタイムを短縮する、隠しアイテム・隠しステージの場所をすべて覚える、ワープせずに全面クリアする、高得点を目指す、といった様々な目標設定が可能であり、クリア後も繰り返し遊ぶことができる。
 
; 裏技 : 甲羅1upなど意図的に入れた裏技のほか、壁抜け、無限増殖、果てはバグ面など、スタッフも予期しない裏技が多く存在し、これらについての情報交換や議論・憶測が多く交わされ、話題を大きくした。
 
   
  +
== 関連項目 ==
これら要素の関係は、まず外面的・内容的な親しみやすさが人を引きつけ、バリエーションの豊富さ・奥深さおよび各種快感要素がプレイヤーを裏技探しへ駆り立てるまでにのめり込ませ、さらに、実際に興味深い裏技が存在したことで話題がさらに大きくなったという構造であったと言える。
 
  +
* [[宮本茂]] - 本作のディレクター。
  +
* [[手塚卓志]] - 本作のアシスタントディレクター。
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* [[近藤浩治]] - 音楽を担当。
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* [[New スーパーマリオブラザーズ]] - 本作における多くのシステムが踏襲された作品。
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* 音楽の使用
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** [[ポーラ化粧品]] ‐ 1‐1などで流れる曲を、バイオリンでアレンジしているCMが過去にある。
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** [[トンガリキッズ]] - 本作の曲を[[サンプリング]]した楽曲『B-DASH』をリリースし、ブレイクした。
  +
** [[テトリスDS]] - 至る所に本作の画面や音楽が使われている。
  +
** [[平成教育委員会]] - 任天堂が[[スポンサー]]として提供する番組で本作の音楽が使われており、[[バンダイナムコゲームス]](ナムコレーベル)のゲームソフト『[[平成教育委員会DS]]』でも使われた。
  +
** [[太鼓の達人]] - バンダイナムコゲームス(ナムコレーベル)の[[音楽ゲーム]]。業務用『太鼓の達人8』-『11』まで、『12』以降は曲構成を変えて収録されている。、[[ニンテンドーDS]]用ソフト『太鼓の達人DS』、[[Wii]]用ソフト『太鼓の達人Wii』に、本作の曲が収録された。
  +
** [[ポップンミュージック]] - [[コナミデジタルエンタテインメント]]の音楽ゲーム。業務用『ポップンミュージック14 FEVER!』『15 ADVENTURE』に、本作の曲が収録された。
  +
** [[ミュージックガンガン!]] - [[タイトー]]の音楽ゲーム。2011年春に稼働予定の『ミュージックガンガン!2』に収録される。
  +
* [[『ぷっ』すま]] - 企画で「-1」を使用、その罰ゲームでも本作の曲を使用。効果音も多数流用。
  +
* [[ファミコン冒険ゲームブック]] - 本作を原作としたゲームブックが数冊出版されている。
  +
* [[親子ゲーム]] - 本作の発売翌年に放送されたドラマ。主役の少年の名前が麻理男であったり、各回のサブタイトルに「スーパーマリオ」というフレーズが含まれるなど、本作の影響が見られる。
  +
* [[USO!?ジャパン]] - 本作のアンダーカバーを特集したことがある。
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* [[ナツメブラザーズ!]] - ラジオCDの取り下ろし版のタイトルがブラザーズつながりにより本作のシリーズ名にもとづいている。
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*[[ひみつの嵐ちゃん!|ひみつのアラシちゃん]] ‐ ゲームがうまいメンバーを決める戦いで使用する。優勝は[[松本潤]]。
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*[[中井正広のブラックバラエティ]] - 出演者達が努力してゲームクリアを目指す企画があった。
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*[[ドリフ大爆笑]] - 1986年4月放送分で本作を取り上げたコントがあり、[[志村けん]]がマリオに扮してジャンプしたり水の入った土管に入ったりし、共演の女性数人を呆れさせてしまう。
   
  +
== 外部リンク ==
したがって、これらの要素のうち幾つかが欠けていたとしたら、このような人気は獲得できなかったであろう。仮に裏技がいくらあったとしても、ゲームに熱中性が無ければ裏技を追求する気にはならないし、いくら熱中性があっても親しみやすさがなければ、単なるマニア向けのゲームとなっていたはずである。
 
  +
=== 公式サイト ===
  +
* [http://www.nintendo.co.jp/n08/fmk/supermario/ ファミコンミニ『スーパーマリオブラザーズ』 ソフトの紹介]
  +
* [http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_smb/ バーチャルコンソール『スーパーマリオブラザーズ』 ソフト紹介]
  +
* [http://www.nintendo.co.jp/nom/0510/ 任天堂マガジン表紙・2005年10月号 No.87] 宮本茂ロングインタビューが掲載
  +
* [http://www.nintendo.co.jp/ngc/sms/history/sm1/index.html スーパーマリオブラザーズ (マリオヒストリー内)]
   
  +
{{mario}}
== デファクトスタンダード==
 
  +
{{DEFAULTSORT:すうはあまりおふらさあす}}
本作品以前ではボタンの配置を、ジャンプを担当するボタンと攻撃などを担当するボタンを右と左のどちらに配置すべきか、かなりの混乱があったのだが、本作品の爆発的ヒット以降には、右がジャンプで左が攻撃などを行うボタンと、ほぼ事実上の標準として統一された。
 
   
  +
{{Link FA|es}}
本作品以降に発売されたゲームで、左ボタンがジャンプであると批判の対象にさえなることもある(例:チャレンジャーなど)。なお、現在では右がジャンプで左が攻撃などのボタンであるべきとほぼ完全な決着を見ているが、第三以上のボタンはどこに配置すべきかいまだに結論が出ていない。
 
  +
{{Link GA|en}}
   
  +
[[en:Super Mario Bros.]]
しかし、近年のゲームはプレイヤーがボタンの配置を自由に変更できることがほとんどなので問題となることはない。
 
  +
[[es:Super Mario Bros.]]
[[Category:ビデオゲーム]]
 
  +
[[fi:Super Mario Bros.]]
  +
[[fr:Super Mario Bros.]]
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[[it:Super Mario Bros.]]
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[[no:Super Mario Bros.]]
  +
[[ru:Super Mario Bros.]]
  +
[[de:Super Mario Bros.]]
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[[nl:Super Mario Bros.]]
  +
[[pt-br:Super Mario Bros.]]
  +
[[pl:Super Mario Bros.]]
  +
[[da:Super Mario Bros.]]
  +
[[Category:ファミリーコンピュータ用ソフト]]
  +
[[Category:ディスクシステム用ソフト]]
  +
[[Category:マリオブラザーズ|1]]
  +
[[Category:1985年のコンピュータゲーム]]
  +
[[Category:バーチャルコンソール対応ソフト]]
  +
[[Category:PC-8800用ゲームソフト]]
  +
[[Category:X1用ゲームソフト]]
  +
[[Category:ギネス世界記録]]
  +
[[Category:冒険ゲームブック]]

2019年3月7日 (木) 07:52時点における版

マリオシリーズ > スーパーマリオブラザーズ

テンプレート:コンピュータゲームスーパーマリオブラザーズ』 (Super Mario Bros.) は、任天堂が発売したファミリーコンピュータ用ゲームソフトである。日本での発売日は1985年9月13日。略称は「スーパーマリオ」「スーマリ」など。

ゲームウォッチでも同名のゲームが存在する(1988年発売。日本版は非売品として作られた[1])。

概説

キノコ王国クッパ率いるカメ一族に侵略され、キノコ王国のお姫様ピーチはクッパにさらわれてしまった。配管工大工)の兄弟マリオルイージはピーチを助け出すため、クッパが率いる敵たちを倒して陸海空を突き進み、いざクッパがいる城へ向かう。

社会現象とも言える空前の大ブームを巻き起こし、ファミコンゲーム、ひいては家庭用ゲームの認知度を高めるのに最も貢献したソフトであると言われている。シリーズ化され数多くの続編が出ており、またシリーズ以外にも多くの追随するゲームを生んだ(マリオシリーズを参照)。また、2007年に米国IGNで初代『スーパーマリオブラザーズ』が「史上最も影響力があったゲーム100選」において1位に選出された(2位は『テトリス』)。

本作がゲームクリエイターに与えた影響力も大きく、小島プロダクション小島秀夫は本作に出会い「ゲーム」というメディアの可能性を感じたと述べており、25周年時には「ゲーム業界のビッグバン」に喩えて賞賛している他、本作と出会った事が自身がゲーム業界へ進む原動となった事を明かしている[2][3][4]スクウェア所属(当時。2010年現在はミストウォーカー代表)の坂口博信はデータ構造とグラフィックが密接に結びついているゲームの奥深さを認識させられたと語っている[5]。また、セガ所属時代の中裕司(2010年現在はプロペ代表)はこのゲームを徹底的に研究し、改めてその完成度の高さに驚愕した事を明かしている。そして本作の対抗作として『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』を生み出した事を語った。他にも稲船敬二名越稔洋三上真司日野晃博などがその影響力や、完成度を賞賛している[4]

2人でプレイする場合はマリオが1プレイヤーキャラクター、ルイージが2プレイヤーキャラクターとなり、一方がミスした場合にプレイヤーを交代する。なお、それぞれのステージの進行度は独立している。

売り上げ

日本国内で681万本以上、全世界では4,024万本を売り上げ、「世界一売れたゲーム」としてギネスブックに登録されている[6]。日本国内のゲームソフト売上歴代1位(『ポケットモンスターシリーズ』の作品は、バージョンを合計した場合にこれを上回る)の記録を持っており、シリーズ2番目の売り上げである『New スーパーマリオブラザーズ』とも約70万本の開きがあり、世界売上では約1400万本の差がある。また、Wiiバーチャルコンソールでも、2007年6月時点で最もダウンロードされたゲームとなっている[7]

前述のバーチャルコンソールやファミコンミニ版、後述する各機種への移植版やスーパーファミコンの『スーパーマリオコレクション』などのリメイク版も大きな売上を記録しているものが少なくない。特に年齢的にファミコンを経験していない世代は『コレクション』など後年の移植でこの作品を実際にプレイしたという場合も多く、その影響を今なお大きくしている。

開発者である宮本茂NHK新・電子立国』のインタビューで語ったところでは、宮本自身は本作の売り上げを150万本程度と予想しており、世界で数千万本も売れたのは「完全にだった」と回顧している。

その後の更新記録について

4,024万本という数字は同梱販売を含んでのものだが(備考として、『スーパーマリオブラザーズ』は欧米でNESとの同梱販売が一部存在している)、同梱販売を含まない数字でも本作は相当な本数を売り上げており、同梱販売での本数を除外しての集計の場合は現在も最大である。

同梱販売を含んでの集計の場合は、本作同じく任天堂から発売された『Wii Sports』の世界売上合計6619万本(2010年7月決算時点)が抜いている事が発表されており、この記録更新には実に23年かかっている。しかしこれは、北米欧州豪州地域での『Wii Sports』はWii本体と必ず同梱されての販売のため「Wiiの売り上げ=『Wii Sports』の売り上げ」であるという点が影響しており、かつ欧米では『Wii Sports』のソフト単体での販売はないので、単独販売のみで集計した本数は日本や韓国などアジアを中心とした少数の国のみのデータとなるため単純な比較は出来ず、注意が必要である。また、任天堂側も『Wii Sports』が同梱含めて販売本数が上回った際も特別なアピールは行わなかった。

なお、日本のゲーム雑誌『ファミ通』や欧米の大手ゲーム雑誌や第3者機関が共同で行なった、世界全体のゲーム売上集計では同梱販売分を本数に含めておらず、現在も『スーパーマリオブラザーズ』が一番としている。

バリエーション

第2作以降のシリーズ作品はマリオシリーズを参照のこと。

スーパーマリオコレクション』 (スーパーファミコン)にもリメイクされて収録されている。こちらは『スーパーマリオブラザーズ2』、『スーパーマリオブラザーズ3』、『スーパーマリオUSA』のリメイクも一緒に収録されている。『スーパーマリオコレクション』は2010年10月21日Wii版が発売された。

なお、『マリオブラザーズ』はアクションや敵キャラ等の要素が似ており、基礎となったゲームといえるが、基本システムやストーリーにおいての関連性、類似性は薄い。

各機種版の特徴

ディスクシステム版

ディスクシステム版の内容は基本的にロムカセット版をベースとしているが、ゲーム起動時にロゴが表示されるなどの相違点もある。

オールナイトニッポンバージョン(ディスクシステム版)

主要記事: オールナイトニッポンスーパーマリオブラザーズ

ラジオ番組オールナイトニッポン」(ニッポン放送)が放送20周年を記念して1986年に発売した限定生産のソフト。基本的には『スーパーマリオブラザーズ』と変わりないが、一部グラフィックの差し替えや、続編『2』からの要素の追加など、いくつかの点で変更が加えられている。

本作は、2010年現在、『グラディウス アルキメンデスバージョン』(コナミ)とともに中古ソフト市場で高値で取引されている。

パソコン版

パソコン版として、ハドソンからNECPC-8800シリーズシャープX1シリーズ向けに発売された『スーパーマリオブラザーズスペシャル』というものも存在する。マップの変更やキャラクター、アイテムの追加などが行われているが、ハードの制約などから、ゲーム内容に変更(画面内の右端にタッチする事により次の画面へ切り替わる)が加えられており、操作性も悪いため、難易度は相当厳しいものになっている。

ゲーム&ウオッチ版

日本国外ではゲーム&ウオッチ版も存在するが、内容が異なる(日本ではディスクシステムの大会の景品としてのみ存在している)。また、画面が透明なクリスタルスクリーン版と、ニューワイド版(及びキーチェーンサイズのMini Classics版)ではキャラクターグラフィックが異なる。

任天堂VS.システム (アーケードゲーム)版

1986年にリリースされた任天堂VS.システム版の『VS. スーパーマリオブラザーズ』はステージは1-1から8-4までの32面構成であるが、本作と『スーパーマリオブラザーズ2』のステージが組み合わさっている。また、ステージ内やゲーム内容においても以下のような違いがある。

  • 地形やアイテム・敵キャラの配置が、一部変更されている(特に、段差部分のノコノコなど、無限1UPの原因になるような配置が排除されている)。
  • ループゾーンは、オリジナルと正解ルートが異なるステージも存在する。
  • 永久パターンを防ぐため、無限1UPができない(1回だけなら1UPできるため、実際には永久パターンが構築された)。また、1UPキノコの出現にも制限がある(一度ミスをすると、その面に設置された1UPキノコは通常のキノコ(またはファイヤーフラワー)に変更される)。
  • 店舗側の設定により、1UPに必要なコインの枚数を100枚、150枚、200枚、300枚の中から設定できるため、コイン表示が3桁になっている(標準設定では150枚)。
  • ランキング画面が存在し、ランクインすると名前入力(アルファベット3文字まで)ができる。その際にオリジナルの曲も流れる。
  • スーパーマリオブラザーズ2』のようにステージ4のお城ステージをクリアした際にもタイムボーナスが得られる。
  • エンディングの音楽が2のようにロングバージョンになっている。理由は容量が増えたからと思われる(リメイク版(スーパーファミコン)では『3』との共通バージョンでのロングバージョンのエンディングになった)。
  • エンディング自体も、2と同様の残りタイム×50点と1機×100000点のボーナスに変わっている。
  • ゲームオーバー時に追加クレジットでコンテニュー可能。

本作は任天堂のアーケード撤退後にリリースされたため、国内未発売となっているが、近年になって並行輸入版が大量に出回っており、現在ではメーカー直営店などを含めた多くの店舗でプレイすることが可能である。地域によっては、下手な新作ビデオゲームよりも多くの店で稼働している。また、店舗側でもファミコン用のコントローラーを改造して接続するなど、通常よりも優遇された設置状況であることが多い。

その他・海賊版など

当時任天堂の影響力が及ばず、ファミコン以外のゲーム機やパソコンが普及していた東アジア中央ヨーロッパなどで、発売当時から海賊版および非公式なコピー版も多く出回った。各国の大手ゲームメーカーが製造した有名なパクリゲームの例をいくつか挙げると、

  • 東アジアでは韓国の大手MSX(大宇Zemmix)用ゲーム・周辺機器メーカーであるZEMINAから1989年に『Super Boy』がリリースされた。BGMの音階が狂っていたり、操作体系が劣悪な上ジャンプで倒せないはずの敵が簡単に倒せたりとドット絵がおおよそ同じである以外は完全な劣化品といえる。現在でも東南アジア東アジアなどでは露天で普通に販売されていることがある。
  • 中央ヨーロッパではドイツの大手ゲームメーカーであるRainbow Artsから1987年にコモドール64用ゲーム『グレートギアナシスターズ』がリリースされた。こちらはイギリス版が発売された時点で任天堂法務部の怒りを買って販売停止となったが、欧米ではいまだにカルト的ファンがおり、2009年には(公式に)Nintendo DSに移植された。

現在、ネット上には違法にアップロードされたスーパーマリオブラザーズのゲームデータが多数存在し、改造できるソフトまで出回っている。

また動画共有サイトには、個人がファミコン版をMicrosoft Excelへ移植してプレイする動画がアップロードされていたり、あるいは日本未発売のゲーム&ウォッチ版をiアプリに移植されたものをプレイしている動画があったりする。

この記事は日本で発売・公開されて間もない作品についての記事です。ネタバレを防ぐため、当該作品の内容に踏み込んだ記述は発売・公開の一か月後に行うものとします。

システム

このゲームは、地上、地下、海中、アスレチック、クッパ城といった多彩なステージで敵を倒し或いは避け、また穴に落ちないように気をつけながら制限時間内にゴールにたどり着くことが目的となる。それまで1画面表示で固定されているのが普通だったテレビゲームに「横スクロールアクション」という概念とジャンルを普及、定着させ、以降同様の形式のゲームが続々と現れることになった。スムーズスクロールとも言える表示処理は、多くの類似したゲームと比較しても優れた箇所が多い。

コース

8つのワールドで構成され、それぞれのワールドには4つのエリア(ステージ、コースともいう)がある。基本的には、エリア1が地上ステージ、エリア3がアスレチックステージ(ワールド2・7は吊り橋ステージ)、エリア4がクッパ城という構成になっている。エリア2については、ワールド3・5・6・8が地上ステージ、ワールド1・4が地下ステージ、ワールド2・7が海中ステージと3種類のバリエーションがある。また、エリア3についてはワールド8のみ地上ステージという例外がある。

地上ステージは最も基本となるステージ構成であり、障害物はあまり多くなく、敵キャラクターをあしらいつつ先に進むことがメインとなる。地下ステージは地上に比べて障害物が多く、狭い空間をくぐり抜けたり、またその中で敵キャラクターと対峙する必要がある。また、見た目やBGMが一転しておどろおどろしくなる。アスレチックステージは他のステージに比べて敵キャラクターが少ないかわりに足場が少なく、穴に落ちないようにジャンプをコントロールして進むことがメインとなる。吊り橋ステージは空中を絶えず飛び交うプクプクをダッシュで避けつつ進むことがメインとなる。水中ステージは特殊であり、走り&ジャンプではなく泳いで進むことになる。そのため他のステージと全く異なった操作感覚となる。BGMも浮遊感のある雰囲気に変化する。クッパ城ステージは各ワールドの最後ということで全体にかなり難易度が高く設定されており、ファイヤーバーなどに阻まれた狭く穴の多い通路をくぐり抜ける高度なアクションが要求される。さらに、一部の城には無限ループ(正解のルートを通らなければ、また同じ場所に戻ってしまう)も存在し、以降の作品でもこれと似たような仕掛けが登場する場合がある。BGMは最も緊張感のある雰囲気となる。『スーパーマリオコレクション』、『スーパーマリオブラザーズデラックス』では無限ループの城面でマリオが正しい道を通ったかどうかを判定する為『スーパーマリオワールド』同様チャイムが鳴るようになった。

エリア1~3はゴール地点にあるポールにつかまり、旗を掲げればクリア。このとき、ポールにしがみついた位置が高いほど高得点が入る。エリア4はステージ奥で待ちかまえるクッパを倒すとクリアとなり、次のワールドに進める。このようにして8-4(ワールド8のエリア4)に到達しこれをクリアするとエンディングを迎えることができる。

一度エンディングを迎えた後はタイトル画面でワールドの選択ができるようになるほか、ゲーム中にはクリボーがメットになり敵キャラクターの移動速度が速くなる、踏んだノコノコやメットの復活が早くなる、敵の数が増える、リフトが短くなる、ファイアバーが追加されるなどで難易度が高くなる。これを通称「裏面」「2周目」などと呼ぶことがある。

  • 一度クリアした後は1-3と5-3、1-4と6-4(クッパがハンマーを投げるか否かは除く)、2-2と7-2、2-3と7-3、2-4と5-4がそれぞれ全く同じシーンとなる。

各面にはTIMEが設定されており、ゲームが始まるとこの数値がカウントダウンし始める。設定TIMEは400または300で、カウントダウンのペースはよりもかなり速い(1カウントはおよそ0.4秒)。この数値が0になるまでに、エリアをクリアしなければならない。TIMEが100未満になるとそのことを示す警告音が流れ、BGMのテンポが速くなる(『スーパーマリオコレクション』ではTIMEが100未満になった時の効果音が『スーパーマリオワールド』と同じ警告音が使われた)。エリア1~3をクリアしたときは、残りのTIMEの数値が得点に精算される。

ミスをした場合、ミスした地点からではなく、スタート地点、あるいはステージによっては中間地点から再スタートするようになっている。各ワールドのクッパ城ステージと8ワールドの全ステージはスタート地点からの再スタートとなっていて、一度ミスした後の難易度を高めている要因となっている。

アクション

マリオが取るアクションは通常は水平方向への移動とジャンプのみであり、敵を倒す場合は踏みつけるか足場越しに突き上げるしかない。また、Bボタンを押しながら移動すると早く移動する(走る)ことができる(Bダッシュ)。

Aボタンを押すとジャンプできる。ボタンを押した長さによって高度が変わったり、ジャンプ中に左右に十字キーを押すことで飛ぶ軌道や着地点を操作できる、Bダッシュによって加速度をつけて遠くに跳べるなど、自由度の高い制御が可能である。また、ジャンプ中の左右への制御はマリオの後ろ側に利き易いという特徴がある。このジャンプシステムは後の多くの作品にも模倣され、システムについて「マリオジャンプ」なる呼称も生まれたが、この制御の利き易いジャンプシステムの初出は本作ではなく、『パックランド』と言われている。

マリオはアイテムを取ることによりスーパーマリオ、ファイアマリオへとパワーアップすることができる。スーパーマリオは身長が普通のマリオ(チビマリオ)の2倍になり、レンガブロックを下からパンチして破壊することができるようになる。また、ファイアマリオはBボタンでファイアボールを投げることができ、ファイアボールを敵にぶつけると、踏めない敵や水中の敵でも倒すことができる。ただし、ファイアボールが効かない敵も存在する。

また、ノコノコやメットなど甲羅を持つ敵を踏みつけるとその敵は気絶し、その間は触れると甲羅を前方に蹴飛ばすことができる。その甲羅が他の敵に当たれば、その敵を倒すこともできる。甲羅で連続して敵を倒すか、あるいは連続で敵や甲羅を踏みつけると得られる得点が増加していく。そして8000点が出るとその次以降は1UP(残機が1つ増える)となる。ただし甲羅は障害物に当たると跳ね返って反対方向に進む。このシステムを応用して、階段状の地形で甲羅を踏み続けて1UPを続ける技術がアーケード版の項で述べた「無限1UP(無限増殖)」である。

敵キャラクターや自分の蹴った甲羅などに正面または下からぶつかるとダメージを受ける。水中面の敵や「踏めない敵」、ファイアバー、敵が放つ武器はどの方向からぶつかってもダメージとなる。ダメージを受けた場合、スーパーマリオかファイアマリオの場合はチビマリオに戻り、チビマリオの場合は1ミスとなり残機数が1つ減る。また、穴に落ちた場合やTIMEが0になった場合はマリオの状態に関係なく1ミスとなる。

ゲームスタート時の残機数は3から始まり、残機数が0になるとゲームオーバー。ゲームオーバーになるとワールド1からの再スタートとなるが、Aボタンを押しながらスタートボタンを押すことで、ゲームオーバーとなったワールドの最初からやり直すことができる。

登場キャラクター

主要キャラクター

マリオ
主人公。得意のジャンプとダッシュでピーチをさらったクッパを倒し、キノコ王国を救うために冒険に出る。
ルイージ
マリオの双子の弟。2人交代プレイの場合は、コントローラIでマリオを、コントローラIIでルイージを操作することになる。しかし説明書にはルイージに関する記述が全く載っていない。
ピーチ
キノコ王国の姫。希望の魔法が使え、クッパの魔法を解くこともできる。クッパによってワールド8の城に囚われている。
キノピオ
ピーチに仕えるキノコ王国の住人。ワールド1から7までの城に囚われている。
クッパ
キノコ王国を乗っ取ろうとする「カメ一族」の親玉で大魔王。魔法によってキノコ王国の住人をブロックなどに変えてしまった。
全8ステージの城に登場するが、キノピオが囚われているワールド1から7までの城に登場するのは部下が変身した偽者でありファイヤーボールで倒せばその正体を確認できる。偽者の正体はステージ1から順にクリボーノコノコメットトゲゾージュゲムゲッソーハンマーブロスである(『2』でもこの順は一緒である)。
攻撃手段はワールド1~5までは炎、ワールド6と7はハンマー投げ、ワールド8の本物のクッパはハンマー投げと炎の両方を使う。

敵キャラクター

マリオシリーズのキャラクター一覧#スーパーマリオブラザーズ」を参照

仕掛け

ブロック

空中に浮いていて、足場に出来る。これはキノコ王国の住人がクッパの魔法によって姿を変えられたものである[9]

ハテナブロック
「?」と書かれた黄色いブロック。叩くとコイン1枚、またはパワーアップアイテムが出現する。中の物が無くなると茶色のブロックに変化する。
レンガブロック
大きい状態(スーパーマリオ、ファイアマリオ)で叩くと壊れる。アイテムが入っているブロックもある。このブロックの上に敵が乗っていて、その時に下から叩く(マリオの状態は関係なし)と、その敵にダメージを与えることもできる。コインが乗っていれば、下から叩いて取ることができる。
階段ブロック
ゴール前の階段などのブロック。大きい状態で叩いても壊れない。見た目以外の性質は茶色のブロックと同じ。
隠しブロック
場所によってはジャンプして下から当てることにより、何も無い空間に突然これが現れることがある。出現する前なら、横や上からすり抜けることができる。コイン1枚か1UPキノコが出てくる。コイン1枚のブロックは必ず出現するが、1UPキノコのブロックはプレイ内容に応じて出現するかしないかが変わってくる。出現させると茶色のブロックになる。このブロックを出現させないとクリアできないステージもある。
茶色のブロック(仮名)
既にコインまたはアイテムが出た後のブロック。足場にできるが大きい状態で叩いても壊れない。

その他

土管
地面やブロックから地上に突き出ている土管。何も起こらず置いてあるだけのもの、パックンフラワーが出てくるもの、下ボタンで入って地下(海)のボーナスステージに行けるもの、別ワールドへワープできるものがある。空中に浮いていても入れる可能性がある。
豆の木
特定のレンガブロックを叩くと伸びてきて、雲の上まで上ることが出来る。ボーナスステージやワープゾーンに行ける。
リフト
横に長く、宙に浮いている。外見は鉄骨をイメージしたものと思われる。一定の場所を上下または左右に往復しているもの、上から下にもしくは下から上に連なって流れていくもの、乗るとすぐに落ちるもの、2つが滑車で天秤のように吊るされていて、乗った方が重力で落ちていく(そのまま乗り続けていると綱が切れて両方落ちる)ものとがある。
ジャンプ台
バネ付きの台。乗ってタイミング良くAボタンを押すと通常より高くジャンプすることが出来る。高所のレンガブロック、ハテナブロックを叩くのに有効。また、壁を越えクリアする為に使う面もある。

アイテム

コイン以外は画面内に1つまでしか出すことができず、2つ目を出すと前に出したアイテムは画面から消えてしまう。例えば、スーパーキノコが画面内にあるときにスーパースターを出すと、スーパーキノコは消えてしまう。

コイン
100枚(アーケード版では店舗側の設定により100,150,200,または300枚から選ばれた枚数)集めるごとにマリオの残機数が増える。空中に浮かんでいるものの他、ハテナブロックや隠しブロックを叩いて出現するものもある。ボーナスステージではコインが大量に置かれている。また、コインを取ったときの「チャリーン(「コイーン」と表現されることもある)」という効果音は任天堂のCMでサウンドロゴ(CMエンディングのNintendoのロゴが光った時に鳴る)として使われた他、ゲームボーイの起動音や一部の任天堂のスーパーファミコンソフトの社名ロゴ時SEにも使われているため、知名度が高い。
スーパーキノコ
マリオが小さい時に出てくる、赤色と黄色の模様のキノコ。所定のブロックを叩くと出てきて地面を右側に移動していく。取ると前述のスーパーマリオになる。
ファイアフラワー
スーパーマリオの状態でスーパーキノコの入ったブロックを叩くと出てくる。取ると前述のファイアマリオになる。なお、出してからダメージを受けてチビマリオになった後に取った場合は、スーパーマリオになるだけである。
1UPキノコ
緑色と黄色の模様のキノコ。ブロックを叩くと出てきて地面を右側に移動していく。取ると残機数が1つ増える。このキノコが出現するブロックの右隣のブロックを予め壊しておくと、出現した1UPキノコが(落ちるのを避けるために)右側に1ブロック分ジャンプすることもある。また、何も無い空中の隠しブロックから出現することもあるが、確実に出てくる場所と、直前のステージの行動や同じステージでの失敗の有無などに因って出現しない場所とが混在する。なお、アーケード版では一度ミスをしたステージの1UPキノコはスーパーキノコ(またはファイアフラワー)に置き換えられる。
スーパースター
光る星の形をしたアイテム。ブロックを叩くと高く跳ねながら移動する。取ると一定時間無敵になり、触れるだけで敵を倒せるが、無敵状態であっても画面外に落ちたりタイムオーバーになった場合はミスとなる。

アンダーカバー

このゲームにおけるアンダーカバーとは、ソフトのバグ・イレギュラーな操作・改造により出現する、通常出現し得ないステージのことである。

アンダーカバーにまつわる経緯

1985年、『スーパーマリオブラザーズ』はワールド9まであるという噂が当時の小学生を中心に飛び交った。ゲーム雑誌『ファミリーコンピュータMagazine』は一般人からの「のショックでワールド9が出現した」と称する投稿写真を掲載。他の雑誌もワールド9の情報を相次いで掲載した。このワールド9は「マリオが地上で泳ぐ、ブロックが珊瑚に変化している、土管の色が違う」など他のステージではありえない事だらけであった。最終的には正規の8ワールドを含む256種類のワールドが出現する可能性があることが分かり、これらは「アンダーカバー」「256ワールド」「256面」「マイナス面」などと呼ばれ、『USO!?ジャパン』では「スーパーマリオX」という造語で紹介した。また、イレギュラーな操作によってこれらを出現させる方法が明らかにされ、これを行ったユーザーから「ファミコンが壊れた」という問い合わせが雑誌社に寄せられる事態となった。そのような中、『ファミリーコンピュータMagazine』がプロデューサーである宮本茂にインタビューし、原因は「ノイズ」だという事が発表された。同時に、正常な動作ではなくファミコンを壊す危険もあるという警告がなされている。

なお、スーパーマリオコレクション版やファミコンミニ版にもアンダーカバーは存在する。また、GBC版「スーパーマリオブラザーズデラックス」にもアンダーカバーに類するものが存在するが、内容は大きく異なる。

アンダーカバーの特徴

意図して設計されたものでないこともあってクリア不能なステージ[10]が非常に多い。また正規ワールドと異なり、ワールド内のステージ数は4面でないワールドが多い。またクリアできるステージにおいてもボーナスステージには行けない。

1986年に発売された『スーパーマリオブラザーズ2』では、正式な仕様としてワールド1から8までワープゾーンを一切使用せずにクリアすると「ワールド9」が出現する。このワールドは、地上風の水中面や旗の直前に出現するクッパなど、アンダーカバーを意識したような特殊な構成となっている(リメイク版も同様)。

備考

数々のゲーム雑誌などでも絶大な評価を得ており、『ファミ通』1000号記念に行われた「読者が選ぶ未来に伝えたいゲーム」なるアンケートではダントツの1位を獲得している。なお、『ファミ通』では800号記念に行われた同様の企画でこのゲームを「50年後に伝えるゲームのタイムカプセル」の1つに選定しており、編集部で保管されている。また、2007年9月22日に行われたTOKYO GAME SHOW 2007で、人気番組『ゲームセンターCX』と『日経エンタテインメント!』と共同でのイベントとして行われた「レトロゲーム・アワード2007」[11]で大賞を受賞した[12]

本作はエンディングまで8ワールドの構成だが、開発段階では全5ワールドの予定とされていた。だが、ワールド数を増やしたい宮本茂は、A3サイズの用紙を2つ折りにしてA4サイズの企画書と見せかけ、5ワールドまでの概略が書かれた片面を見せて許可が下りた直後に、折られた裏側に書かれていた8ワールドまでの構想を見せ、強引に納得させて企画を通したという逸話がある。なお、本作のワールド5以降のステージで、以前のワールドに出たステージの構造を流用したコース(例:W2-2とW7-2、W2-4とW5-4、W1-4とW6-4)が登場するのは、スタッフにこの8ワールドの構成案を納得してもらうためであった[13]

本作はポール越えは基本的にできない事となっているが、越える事ができた場合は裏技として認定された。ちなみにファミリーコンピュータMagazineでポール越えを果たした読者投稿による写真も掲載された。

注釈

  1. 参考リンク(個人ブログ) - ゲームウォッチでも、『スーパーマリオブラザーズ』
  2. 小島監督が『マリオ』を激賞「人類が作り出した最もすばらしい作品の一つ。自分の未来をも変えた」
  3. [1]
  4. 4.0 4.1 『ファミ通』 2010年11月4日号 (No.1142) p52、p53 「特集2:おめでとう! スーパーマリオ25周年」クリエイターお祝いコメントより
  5. ニンテンドードリーム』2008年1月号 「クリエイターが語るマリオの思い出」より
  6. ゲームボーイアドバンスで発売された「ファミコンミニ」版は除外した数字。ファミコンミニ版のみの販売本数は、国内では20周年記念の再発売版を含めて約130万本(エンターブレイン調べによる)。
  7. 任天堂Wii--バーチャルコンソールのダウンロードが470万件に CNET Japan 2007年11月5日閲覧
  8. スーパーマリオ25周年キャンペーン:Wii(スーパーマリオ25周年仕様)
  9. スーパーマリオブラザーズ 取扱説明書
  10. スタート地点が穴の上でありスタート時に強制的に転落させられゲームオーバーになる、スタート時に残りタイムがなくカウントダウン開始とともに即タイムアップとなる、無限ループとなっておりタイムアップを待つしかない、画面がフリーズまたはブラックアウトして動かなくなる、突然リセットされタイトル画面に戻される、など。
  11. ITmedia +D Games - レトロゲーム大賞に『スーパーマリオブラザーズ』レトロゲーム・アワード2007。
  12. これはゲームを表彰する舞台が存在しなかった20年前に、もしこういったイベントがあればと想定して企画されたもの。選出対象に該当するのは、1985年から1987年に発売されたゲームとなっている。
  13. 社長が訊く『ゼルダの伝説 大地の汽笛』携帯機ゼルダの歴史 篇 [番外篇2]『裏ゼルダ』の裏話

関連項目

  • 宮本茂 - 本作のディレクター。
  • 手塚卓志 - 本作のアシスタントディレクター。
  • 近藤浩治 - 音楽を担当。
  • New スーパーマリオブラザーズ - 本作における多くのシステムが踏襲された作品。
  • 音楽の使用
    • ポーラ化粧品 ‐ 1‐1などで流れる曲を、バイオリンでアレンジしているCMが過去にある。
    • トンガリキッズ - 本作の曲をサンプリングした楽曲『B-DASH』をリリースし、ブレイクした。
    • テトリスDS - 至る所に本作の画面や音楽が使われている。
    • 平成教育委員会 - 任天堂がスポンサーとして提供する番組で本作の音楽が使われており、バンダイナムコゲームス(ナムコレーベル)のゲームソフト『平成教育委員会DS』でも使われた。
    • 太鼓の達人 - バンダイナムコゲームス(ナムコレーベル)の音楽ゲーム。業務用『太鼓の達人8』-『11』まで、『12』以降は曲構成を変えて収録されている。、ニンテンドーDS用ソフト『太鼓の達人DS』、Wii用ソフト『太鼓の達人Wii』に、本作の曲が収録された。
    • ポップンミュージック - コナミデジタルエンタテインメントの音楽ゲーム。業務用『ポップンミュージック14 FEVER!』『15 ADVENTURE』に、本作の曲が収録された。
    • ミュージックガンガン! - タイトーの音楽ゲーム。2011年春に稼働予定の『ミュージックガンガン!2』に収録される。
  • 『ぷっ』すま - 企画で「-1」を使用、その罰ゲームでも本作の曲を使用。効果音も多数流用。
  • ファミコン冒険ゲームブック - 本作を原作としたゲームブックが数冊出版されている。
  • 親子ゲーム - 本作の発売翌年に放送されたドラマ。主役の少年の名前が麻理男であったり、各回のサブタイトルに「スーパーマリオ」というフレーズが含まれるなど、本作の影響が見られる。
  • USO!?ジャパン - 本作のアンダーカバーを特集したことがある。
  • ナツメブラザーズ! - ラジオCDの取り下ろし版のタイトルがブラザーズつながりにより本作のシリーズ名にもとづいている。
  • ひみつのアラシちゃん ‐ ゲームがうまいメンバーを決める戦いで使用する。優勝は松本潤
  • 中井正広のブラックバラエティ - 出演者達が努力してゲームクリアを目指す企画があった。
  • ドリフ大爆笑 - 1986年4月放送分で本作を取り上げたコントがあり、志村けんがマリオに扮してジャンプしたり水の入った土管に入ったりし、共演の女性数人を呆れさせてしまう。

外部リンク

公式サイト


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