『オールナイトニッポンスーパーマリオブラザーズ』は、任天堂が開発し、ニッポン放送が発売したファミリーコンピュータ ディスクシステム用ソフト。
概要[]
ニッポン放送のラジオ番組『オールナイトニッポン』の放送が1987年に20周年を迎えるということで、その記念として前年の1986年に製作されたゲームソフト。『スーパーマリオブラザーズ』が社会現象を巻き起こしていた当時『オールナイトニッポン』もファミコンやスーパーマリオを扱った内容の放送を行っており、その縁でコラボレーションが実現した。ラジオの放送内で購入者の募集を呼びかけ、3000本限定で製造され全品完売した。
限られた提供方法であるため資料等も少なく、ネット、口コミをはじめ様々な言説が飛び交っていた。その本数も少ないため中古ソフトはプレミア価格で取引されている。
誕生の経緯[]
人気のラジオ『オールナイトニッポン』と同じく人気の『スーパーマリオブラザーズ』はユーザー層に被りも生じるため、オールナイトニッポンのお便りにマリオに関連する話を書いて送ってくる人も多かった。その中に『スーパーマリオブラザーズ』を自身でプレイしたものをビデオに焼いて送ってくる人もおり、そのプレイング技術に圧倒されたニッポン放送はこれをなんとかコンテンツとして届けたいと考える。
ラジオ放送であるため映像コンテンツの放送はできないので、これを「攻略ビデオ」という形で販売しようという話になり、任天堂の許諾も下りて販売、好調となる。
そうなるとニッポン放送側はそのうち「自分たちでもゲームをリリースしたい」と考えるようになり、「オールナイトニッポンバージョンのスーパーマリオを作ろう」という企画を任天堂に持ち込むが、任天堂からの対応は望ましいものではなかった。
何度も打診を重ねるうち、任天堂から「次に『ゼルダの伝説』という新作を出すので謎解きの攻略ビデオを出したい」という話が上がり「そのビデオ販売の情報をラジオで放送してほしい」という依頼が来る。これの実現とそれによる電話のアクセス集中で一時は怪訝な対応をされるも最終的にはラジオでの情報共有に好意的な印象を示した任天堂側が「あの企画やりましょう」と協力を許可し、開発に至った[1]。
提供の手段[]
1986年12月15日放映の番組後半で、中島みゆきからソフトの告知がなされる。販売形態は往復ハガキによる抽選販売で、定価3000円(本体価格2600円、送料400円)で定員2000名としていた。[2]その翌日12月16日放送の回ではパーソナリティのとんねるずからソフトの告知がなされたが、その際に「12月20日からニッポン放送のミュージックセンター窓口でも売っている」と社屋直売の告知もあった[3]。
全3000本のうち、2000本は往復ハガキによる抽選販売、残り1000本はニッポン放送直売という形態で販売がされ、いずれも完売した。
原作との違い[]
- 設定
- 本作の舞台は、キノコ王国ではなく「ビバ王国」という"キノコ達の住むオールナイトニッポンの夢の国"という場所となっている。パラレルワールドなのか、なぜかこちらの王国もピーチ姫が治めている。
- そこへクッパの一族が現れキノコ一族をブロックや背景などに姿を変えてしまうという部分は『スーパーマリオブラザーズ』と一致。オールナイトニッポンのパーソナリティらも捕らわれの身となってしまうが、サンプラザ中野(現:サンプラザ中野くん)だけは"幻の商売繁盛"のコーナー(当時放映の『サンプラザ中野のオールナイトニッポン』のコーナー「幻の商売繁盛 えーらいこっちゃ」)に紛れ込んだクッパの手紙に騙されてクッパのもとへ出向いてしまい、クッパの魔法で手下の「オカピー」に変えられてしまった。
- ゲームシステム
- システムの大部分は『スーパーマリオブラザーズ2』をベースとしているが、コース内容の多くは初代『スーパーマリオブラザーズ』のものが使用され、一部アレンジや『2』のコースの採用などが行われている。空中ゲッソー、パックンフラワー・アカなど『2』の敵キャラクターも登場するが、毒キノコなど登場しないものもある。
- グラフィック・サウンド
- 雲や草についた顔、地面タイル、移動するリフト、ブレーキ音は『2』のものが使用され、レンガブロックとお城は初代のものが使用されている。その他、地面からはつくしやキノコの代わりにマイクが生えている、ゴール時にお城に建てられる旗にフジサンケイグループの目玉マークが描かれている、クッパ城の橋を叩き落す斧も目玉マークになっているなど様々な差異がある。
- キャラクターについても、クリボーとパックンフラワーはそれぞれサンプラザ中野が姿を変えられた「オカピー」「パックンオカピー」に、スーパースターはニッポン放送の「三宅裕司のヤングパラダイス」で有名になった「ヒランヤ」に差し替えられているほか、クッパを倒した後のキノピオは当時のオールナイトニッポンの各曜日のパーソナリティになっており、ピーチ姫はなんと和服で登場する。
登場キャラクター[]
味方キャラクター[]
- マリオ
- 主人公。プレイヤー1が操作する。
- ルイージ
- 準主人公。2人プレイ時、プレイヤー2が操作する。
- ピーチ姫
- ワールド8の城でとらえられている、本作ではビバ王国の姫君。
- みゆき
- 当時のオールナイトニッポンの月曜日担当、中島みゆき。ワールド1で捕らえられている。
- たかあき
- 当時のオールナイトニッポンの火曜日担当、お笑いコンビ「とんねるず」の石橋貴明。ワールド2で捕らえられている。
- のりたけ
- 当時のオールナイトニッポンの火曜日担当、お笑いコンビ「とんねるず」の木梨憲武。ワールド3で捕らえられている。
- KYON²
- 当時のオールナイトニッポンの水曜日担当、キョンキョンこと小泉今日子。ワールド4で捕らえられている。
- たけし
- 当時のオールナイトニッポンの木曜日担当、ビートたけし。ワールド5で捕らえられている。たけし軍団の力もかなわなかったらしい。
- まっちゃん
- 当時のオールナイトニッポンの土曜日担当、お笑いコンビ「ABブラザーズ」を構成していた松野大介。ワールド6で捕らえられている。
- ひでちゃん
- 当時のオールナイトニッポンの土曜日担当、お笑いコンビ「ABブラザーズ」を構成していた中山秀征。ワールド7で捕らえられている。
救助対象が差し替えられているため、本作ではパッケージも含めてキノピオは一切登場しない。
敵キャラクター []
オカピー(姿を変えられたサンプラザ中野)に差し替えられた関係でクリボー、パックンフラワーは登場しない。
余談[]
- 2023年2月12日放映の『シューイチ』で「ファミコンカセットをコンプリートしたまじっすか人」として"SOMARI"という人物が出演。SOMARI氏の推薦で「同番組に関係のあるゲーム」として、出演者の中山秀征が出演する本作が紹介された。実際に登場する場面も放映されたが、使用色がやたら白飛びしてしまっていた。
- さらに余談だが、同番組ではファミコンを遊ぶ姿のイメージ画像として『スーパーマリオブラザーズ』のシーンがはめ込まれた画像も使用された。その他いくつかのタイトルのパッケージも見切れて映っている。
脚注[]
関連項目[]
- スーパーマリオブラザーズ
- スーパーマリオブラザーズ2
- フジサンケイグループ
- 夢工場ドキドキパニック - 本作に次ぐ、フジサンケイグループとのコラボレーションソフト。『スーパーマリオUSA』の原作。
- GOGOマリオ!! - 『小峯隆生のオールナイトニッポン』放送内でリスナーの考えた歌詞により作られた歌曲。
外部リンク[]
- プレミアソフト大検証
- オールナイトニッポンスーパーマリオブラザーズ 2022/7/4 最終版 - ファミコン周辺機器@宇宙一(月面探査中)
- 【レアなマリオゲーム】とんねるずやビートたけしと共演!『オールナイトニッポン スーパーマリオブラザーズ』 - YouTube